ストップ! 八ッ場ダム

〜住民訴訟提訴6周年報告集会〜




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 (2010年)12月4日、「ストップ八ッ場ダム」と題した住民訴訟提訴6周年報告集会が都内の全水道会館で開かれました。八ッ場ダム建設の差し止めを求める住民訴訟を1都5県で一斉に提訴してから丸6年が経過したため開かれたものです。主催は「八ッ場ダムをストップさせる市民連絡会」です。東京、千葉、埼玉、群馬、栃木、茨城の1都5県から130人が参加しました。
 まず、関良基氏(拓殖大学政経学部準教授)が「八ッ場ダムよりも緑のダム─利根川に果たす森林の役割」と題して講演をおこないました。そのあと、嶋津暉之氏(八ッ場ダムをストップさせる市民連絡会代表)の現状報告や、高橋利明氏(八ッ場ダム住民訴訟弁護団長)による裁判の全体報告、1都5県の報告などがつづき、最後にアピールを採択しました。
 集会の主旨や概要はアピールに集約されていますので、紹介させていただきます。



アピール




八ッ場ダム住民訴訟 提訴6周年報告集会 アピール


 「国が計画した八ッ場ダムは無益で、しかも有害である。負担金の支出は中止せよ」と八ッ場ダム建設の差し止めを求めて2004年に利根川流域の1都5県、5000名の市民が結集して住民監査請求を行い、各地裁に提訴してから、まる6年が経過しました。
 栃木県では思川開発事業と湯西川ダムの中止をも求めてきました。
 6都県に組織した原告団・弁護団は、2004年11月の提訴以来、山のように書面と証拠を積み上げ、法廷での裁判を各地裁で二十数回を重ね、群馬・前橋地裁では裁判官3名による現地の検証も行われ、証人調べも前橋地裁では5人の尋問が行われました。法廷は会員と支援者で埋め尽くし、常に満席状態でした。行政側の主張は完全に破綻し、道理からすれば、住民側の勝利が確実でしたが、現実には住民側の5連敗でした。
 私たちは直ちに東京高裁に控訴しました。
 今年10月、隠蔽(いんぺい)を続けてきた飽和雨量の値が衆議院予算委員会で公表され、また11月には八ッ場ダムの必要性の論拠とされてきた基本高(たか)水(みず)、毎秒2万2000トンと算出した過程が疑問とされ、国交大臣が、基本高水をゼロベースで調査するよう指示した、と表明する事態となりました。
 これは、まさに私たちが裁判で、カスリーン台風が再来しても「八斗島(やったじま)地点で毎秒1万6750トンだから、八ッ場ダムは要らない」との主張が、正しかったことが示されたものです。
 東京高裁の裁判では、各地裁における被告側の主張の矛盾と、これらの新たな証拠を裁判所に認めさせ、勝利の判決を得なければなりません。
 私たちは、政治への働きかけも強化してきました。
 各地元選出の国会議員に集会への参加要請を行い、特に民主党へは、衆議院議員選挙のマニフェストに、八ッ場ダム中止を明文化するよう要請し、実現して、2009年9月の政権交代が実現しました。その直後、国交大臣が八ッ場ダム中止を宣言しました。
 その後、八ッ場ダムに関して再検証が行われることになり、来年秋までにその結果が出ることになっていますが、河川官僚の巻き返しで予断を許さぬ状況になっています。
 一方、群馬県や長野原町などが建設推進を訴え、6都県知事は依然として、自らの政策判断の誤りを認めず、八ッ場ダムが必要と訴えています。
 私たちは、地元住民が50年にわたって国のダム計画に翻(ほん)弄(ろう)されて過酷な状態に置かれ、地域が衰退の一途を辿(たど)ってきたことを真(しん)摯(し)に取り上げ、ダム中止後の地域振興策の実現や、地元住民の生活安定に協力を惜しまない立場を確認し、ダム中止後の生活再建を支援する法律を一日も早く制定して住民に安心をもたらすよう、国に要求していきます。
 このような取り組みを、私たちは、八ッ場あしたの会の活動と連携しつつ、ムダな公共事業の中止や脱ダムの運動に取り組む全国の仲間ともネットワークを組み、山場を迎えた八ッ場ダム阻止闘争に、あらゆる努力を尽くすことをここに決意します。
 勝利を確かなものとするために、ともに戦っていきましょう。

 2010年12月4日

八ッ場ダム住民訴訟提訴6周年報告集会参加者一同









1都5県から130人が参加して開かれた八ッ場ダム住民訴訟提訴6周年報告集会



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