八ッ場ダムは利水・治水の両面で

 必要性が失われている

  〜八ッ場ダムを考える千葉の集い〜




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 千葉県自然保護連合など県内の18の市民団体は2004年4月24日、和洋女子大学(市川市)で「八ッ場(やんば)ダムは必要か」を銘打った集いを開きました。約80人が参加。
 八ッ場ダムは、群馬県長野原町の吾妻川に計画されています。利根川中下流部の洪水調節と、東京、埼玉、千葉、茨城、群馬の5都県への都市用水供給を目的とし、52年前に計画されました。しかし、今では時代が変わり、ダムの必要性はなくなったという批判が強まっています。事業主体の国土交通省は、同ダムの事業費を約2110億円から約4600億円に増額する方針を打ち出し、関係自治体に負担増を求めていましたが、千葉県などはこれを認めました。これによって、千葉県の負担は183億円から403億円に増えます。関連事業費や起債分の利息を含めると、県負担は560億円にのぼります。
 集会では、超党派の国会議員約100人でつくる「公共事業チェック議員の会」の佐藤謙一郎衆議院議員と水源開発問題全国連絡会の嶋津暉之共同代表が八ッ場ダム計画の実態や問題点をわかりやすく話してくれました。
 嶋津氏は、事業費は利息も含めれば8800億円に膨れ、千葉県民の負担は1世帯当たり約4万円にもなると指摘しました。また、首都圏の水需給をデータで示し、「これからは水余りの時代になるので、ダムをつくる必要はまったくない」と述べました。さらに、「治水」も河道や森林の整備で対応できるとし、「広く市民に伝え、自治体にダム計画からの撤退をはたらきかけよう」と訴えました。
 報告では、八ッ場ダムを考える会(群馬)の鈴木郁子さん、元佐倉市議の中村春子さん、習志野市議の辰巳久美子さん、八ッ場ダムを考える千葉の会の北澤真理子さん、千葉県議の小松敦さん、千葉高校定時制1年の加部賢太朗さんが、八ッ場ダムの不必要性を訴えるとともに、それぞれのとりくみを報告しました。
 小松県議は、「県は1人1日最大給水量を395リットルから440リットルに増えると予測しているが、逆にこの10年間で15リットルも減っている」などと、県の過大予測を指摘しました。また、千葉高定時制の加部賢太朗さんは、「県はこういう無駄な事業にお金を使う一方で、僕たちの高校をつぶそうとしている。高校再編計画とダム間題の根は同じ。みなさんと協力して反対したい」と力強く訴えました。



 八ッ場ダムは必要か
 〜八ッ場ダムを考える千葉の集い〜

 日 時:2004年4月24日(土) 13:30〜16:30
 会 場:和洋女子大学(市川市)
 内 容:
   ○【講演】公共事業と八ッ場ダム計画
        ……………公共事業チェック議員の会事務局長
                    衆議院議員 佐藤謙一郎氏
   ○千葉県民にとって八ッ場ダムとは?
    ―八ッ場ダム計画の問題点―
        ……水源開発問題全国連絡会 共同代表 嶋津暉之氏
   ○報告
     ・群馬県(現地)………八ッ場ダムを考える会 鈴木郁子氏
     ・佐倉市……………元佐倉市議(市民ネット) 中村春子氏
        ・習志野市…………習志野市議(新社会党) 辰巳久美子氏
     ・千葉…………八ッ場ダムを考える千葉の会 北澤真理子氏
     ・千葉県議会………………千葉県議(共産党) 小松 敦氏
     ・八ッ場ダム負担増と高校削減………高校生 加部賢太朗氏
   ○討論
 主 催::「八ッ場ダムを考える千葉の集い」実行委員会
   〈参加団体〉
    千葉県自然保護連合、八ッ場ダムを考える千葉の会、まつど雨水の会、
    千葉の干潟を守る会、三番瀬を守る会、真間山の緑地を守る会、
    プロジェクトとけ、緑のネットワーク・まつど、関さんの森を育む会、
    千駄堀を守る会、新坂川をきれいにする会、市川緑の市民フォーラム、
    真間川の桜並木を守る市民の会、自然と文化研究会、
    三番瀬を守る署名ネットワーク、市川三番瀬を守る会、
    千葉県職員労働組合、千葉土建一般労働組合主婦の会
 後 援:公共事業チェック議員の会、全国自然保護連合、八ッ場ダムを考える会






集会には約80人が参加








公共事業チェック議員の会事務局長の佐藤謙一郎衆院議員








県立千葉高校定時制の加部賢太朗さん









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