国交省は税金を湯水のごとく使っている

〜八ッ場ダムを考える現地交流会の報告〜

千葉県自然保護連合 牛野くみ子





 八ツ場ダムの予定地に行ったのは2度目です。今回は地元の方々と話し合いができ、すごくよかったと思います。

 住民の方々の話を聞いて国のやり方が分かり、憤りをさらに強くしました。住民を移転させるためには代替地をつくらねばなりません。しかし国交省は、札束で頬をなでれば代替地など造らなくても出て行くだろうとたかをくくっています。
 50年間も苦痛を強いられてきた方々に私たちは今、なにができるのか。「もう水は要らない」と言ってあげることもダム反対につながるのでないかと思います。
 私は、住民の方々に、千葉県の佐倉市と習志野市で八ッ場ダム見直しの意見書を千葉県に提出したことや、千葉市もいま声をあげようとしていることを話しました。

 翌日の現地見学会では、バスでダム予定地や移転した第一小学校を見せてもらいました。「あの橋が30億円」「あの工事用道路が10億円」「山の上に移転させられた長野原町立第一小学校、あれも10億円」との説明です。ダム関連工事は、ほとんどが10億円単位です。

 新築の小学校は、生徒数は50人なのに、エレベーター付きの3階建てです。室内プールもあって、生徒はスクールバスでの送り迎えです。人里離れた高い山の上につくられたので、たとえ自転車でもそこまで行くのは大変です。

 あんな立派なものを造ったら維持費が大変です。国も自治体も、財政はすでに破綻状態です。生徒がいなくなったら老人ホームにするのだとか。そこまで考えるのなら、人口の減少、水需要の減少も考えて欲しいと思います。

 国交省は、八ッ場ダムの関連事業で、みんなの汗の結晶である税金を湯水のごとく使っています。それでも、ダムができないで(私はダムは絶対できないと思っています)、あの渓谷美が残れば良いとします。まったく情けない話です。

(2003年9月)





水没予定地の住民と話し合い



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