鬼泪山国有林の山砂採取に否定的見解

〜県土石採取対策審議会が報告書〜





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 富津市の鬼泪山(きなだやま)国有林からの山砂採取の是非を検討してきた「県土石採取対策審議会」(土石審)の渡邉勉会長は(2010年)11月5日、「鬼泪山国有林からの山砂採取については、早急に結論を出すべきものではない」と否定的な見解を示した報告書をまとめ、森田健作知事に提出しました。
 最終的には森田知事が判断しますが、知事は山砂採取を認可しない公算が大きくなりました。
 以下は、渡邉会長の所見です。


土石採取対策審議会・渡邉勉会長の所見



報告書

富津市鬼泪山国有林104林班他の山砂採取について


平成22年11月

千葉県土石採取対策審議会



報告に当たって

 富津市鬼泪山国有林104林班他の山砂採取に係る審議結果の報告にあたり、土石採取対策審議会会長としての所見を申し上げます。

 この度、富津市鬼泪山国有林104・105林班他からの山砂採取について、知事からの開催要請により土石採取対策審議会で審議したところです。

 今回審議対象となりました富津市鬼泪山国有林104・105林班に堆積する山砂は、高品質で有望な砂利資源であることは周知のことです。また、自然環境豊かな地域で人為的に開発や建設工事をする場合は、環境問題を避けて通ることのできない時代でもあります。このような時代に、環境と調和しながら鬼泪山国有林の砂利資源をいかに活用していくかが問われているわけです。

 今回の審議会での議論を踏まえますと、地元に密接な意見も多々ありましたが、砂利需要が低迷している現状や、県の発展に関連の深い公共性の高いプロジェクトが見当たらないことから、現時点では県の国有林からの山砂採取に係る基本的な考えである「本県の発展に関連の深い公共性の高いプロジェクトに使用する場合のみ認め、その際には地元事業者の育成に配慮する」を見直すまでの状況には至っていないものと思われます。

 また、山砂採取のためにひとたび山を掘削しますと、地盤の改変により、地盤・森林・景観など今までバランスの取れていた自然環境が崩れることになり、元の環境に回復することは至難の業となります。従って、それに見合うような環境保全をやっていくことが非常に重要と考えます。

 特に我々の世代、孫、ひ孫の代のみならず、後世にわたって環境との共存を図り、持続可能な自然や社会を築いていく方策が求められており、資源小国のわが国にとって、鬼泪山国有林の山砂は大変貴重な天然資源であることから、鬼泪山国有林からの山砂採取については、早急に結論を出すべきものではないと考えます。

 結びに、本報告書は砂利採取が水道水源である地下水や湧水に及ぼす影響、森林がもつ水源への涵養機能などの多面的な機能、砂利洗浄排水の影響、環境アセスメント、砂利資源の状況等の項目について、各委員それぞれの立場からのさまざまな意見を反映したものであることを申し添えます。

 平成22年11月5日

千葉県土石採取対策審議会
会長 渡邉 勉




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