鬼泪山国有林の山砂採取問題で県交渉
〜鬼泪山『国有林』の山砂採取に反対する連絡会〜
「鬼泪山『国有林』の山砂採取に反対する連絡会」は11月26日、国有林の山砂採取問題で県と交渉しました。
議題は、11月17日に行われた土石審(土石採取対策審議会)の現地視察問題です。
現地視察の主な問題はこうです。
- 県はこれまで、大勢の県民が土石審を傍聴できるようにすると回答していたのに、17日の審議会(現地視察の前に開かれた)はわずか10人しか傍聴させなかった。それも、多数の県民が傍聴を応募したのに、じっさいは10人のうち、推進派(業者関係者)が8人で、一般県民はわずか2人しか傍聴できなかった。
- 現地視察の委員配布資料では、富津市上水道水源(大佐和井戸と関山用水)について、「揚水量に影響するような状況は、これまでなく、……特に問題はなく、良好な状態である」と記されている。これは事実とまったく違う。鬼泪山のつながる浅間山(せんげんやま)が山ごとごっそり削られたあと、揚水量が4割も減った。また、鬼泪山の湧水が水源となっているため、この山の一部(104林班と105林班)がなくなれば、揚水量がさらに激減したり枯渇することが危惧されている。
- 現地視察では、山砂採取を強く求めている自民党県議が案内役を演じ、「採取しても、とくに問題は出ない」ということをしきりに説明していた。
- 今回の現地視察は、現地の一部(3カ所)をただ見たというだけであって、山砂採取によってどのような影響がでるかという視察ではなかった。
次回の土石審は来年の2月県議会開会前に開かれる予定とのことです。県とのやりとりの中で、連絡会から土石審に対して審議内容や調査事項などを要請することになりました。
■鬼泪山採取と三番瀬人工干潟化がからんでいるのでは
なお、三番瀬の人工干潟造成と鬼泪山の山砂採取がからんでいるのではないか、という疑念も浮上しています。そこで、こんな質問をしました。
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「2001年9月に白紙撤回された市川2期埋め立て計画は、第二湾岸道を通すことが主な目的だった。この埋め立てには3100万立方メートルの山砂が必要とされていて、鬼泪山国有林(104・105林班)の山砂も候補にあがっていた(朝日新聞千葉支局著『追跡・湾岸開発』朝日新聞社刊より)。そして今、県は、市川2期の埋め立て予定地だった海域(猫実川河口域)を人工干潟にするという事業(三番瀬再生事業)をどんどん進めている。そのウラには、第二湾岸道をなんとしてでもそこに通したいという財界や県幹部などの思惑がある。9月定例県議会では、人工干潟化を求める請願書が採択された。鬼泪山の山砂採取を目的とする土石審の再開は、こういう動きと密接にからんでいるのではないか」
しかし、市川2期埋め立てと関連し、鬼泪山国有林(104・105林班)の山砂採取を目的に土石審再開の話がでたことは事実です。これは、『追跡・湾岸開発』(前出)でもとりあげられています。
そして、最近の動きをつぶさにみると、三番瀬の人工干潟化と鬼泪山国有林の山砂採取が密接にからんでいるのではないか、という疑いをもたせます。
■二重の自然破壊を許すな!
県の行革推進委員会において、ある委員は、幕張新都心のジリ貧状態を打開するためにはビッグプロジェクトの第二湾岸道の建設がどうしても必要、と発言したそうです。9月県議会では、三番瀬の人工干潟化を求める請願書が自民・公明の賛成で採択されました。
もし、鬼泪山国有林を削り、その砂で三番瀬の干潟・浅瀬を埋めて人工干潟にすることになれば、二重の自然破壊です。こんなことは絶対に許されません。
交渉のあとの話し合いでは、「鬼泪山『国有林』の山砂採取に反対する連絡会」と「三番瀬を守る連絡会」が連携して運動を強めよう、ということになりました。
鬼泪山国有林の山砂採取で県と交渉
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