鬼泪山国有林を守ろう!

〜県自然保護連合が山砂採取問題の講演会〜




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 千葉県自然保護連合は(2009年)4月18日、「南房総の山砂採取をめぐる諸問題」と題した講演会を習志野市谷津公民館で開きました。内容は富津市にある鬼泪(きなだ)山国有林の山砂採取計画に関するものです。


山が消え、市民の水道水源にも影響

 講師は、「鬼泪山の国有林を守る市民の会」の宮則夫さんです。
 宮さんは、鬼泪山(国有林)の一部「104林班」をそっくり山ごと剥ぎ取ってしまうという計画について、さまざまな観点から問題点を指摘しました。
 富津市民の36%が利用している水道の取水源がすぐそばにあり、湧き水の枯渇を招くことや、貴重な森林が伐採されることにより自然環境や景観が破壊されることなどです。
 また、地元住民が「市民の会」を立ち上げ、署名などのさまざまなとりくみをはじめたことをくわしく話してくれました。


自然を守るという姿勢を貫いてほしかった

 宮さんは、堂本暁子・前千葉県知事の姿勢にもふれました。こんな話です。
    《この問題で、土石審(土石採取対策審議会)の第1回会合が今年1月27日に開かれた。第2回は、おそらく5月の連休明けになると思われるが、現地調査を行うことになっている。
     私たち「市民の会」は、堂本知事(当時)に面会し、鬼泪山国有林の山砂採取を認めないでほしいと要請した。土石審の事務局は千葉県がやっているのだから、知事が本当に自然を守るという姿勢を貫いて県議会と対決すれば、土石審を開く必要はない。
     ところが、知事は私たちにこう言った。
     「私は鬼泪山の山砂採取に反対だ。しかし、議会で土石審開催の請願が採択されたのだから仕方がない。あとは、県民の世論の盛りあげてほしい」と。》


林野庁は国有林を売ろうとしている

 国有林を管理する林野庁の姿勢についてもふれました。
    《国有林の山砂採取が問題になっているわけだが、ここは南房総国定公園の隣接地だ。しかし、国定公園の隣接地であっても、運動がなければ、林野庁は「規制緩和」という名目で国有林をどんどん売ってしまう。問題の国有林は砂防用の保安林となっている。しかし、「山をそっくりなくなってしまえば安全だ」ということで、保安林解除も簡単に認められてしまう。やはり、運動を大きく盛りあげることが必要ということだ。》


森林がもつ多機能性をどう評価するのか

 参加者からはこんな声がだされました。
     「国有林の経営は、木が売れなくなったためにすごい赤字をかかえている。そこで、売れるものはなんでも売ってしまえということで、山砂採取も認める方向になっている。しかし、土までそっくり売っていいのか、と思う。山をそっくりなくしたら、生物多様性は喪失する。また、森林がもつ多機能性をどう評価するのか、という問題もある。そういうことを最初から放棄していいのか、すごく疑問だ」

     「山をごっそりなくしてしまうということは、水脈を断ち切るとか、風の向きを大きく変えることなどのほかに、これまでそこで生活してきた人々の歴史的な遺産をなくしてしまうことでもある。自然保護という枠をこえて、住民の生活を守るという観点からも心から怒っていいと思う」

 以上です。
 「市民の会」がとりくんでいる署名にみんなで協力することになりました。
 また、「ふわくハイキングサークル」が5月8日に計画している「鬼泪山現地調査ゆっくりウォーク」に参加することを話しあいました。













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