八ッ場ダム事業の見直しを求める意見書を習志野市議会が採択

　
　八ッ場ダム事業の見直しを求める意見書を

　習志野市議会が採択

　習志野市議会（千葉県）は2003年６月30日、「八ッ場(やんば)ダム事業の見直しを求める意見書」を採択し、千葉県知事あてに提出しました。

意　見　書

八ッ場ダム事業の見直しを求める意見書

　八ッ場ダム建設事業は都市用水の開発と洪水調節を目的とする多目的ダムであり、昭和27年、国によって計画されたものである。事業費の総額は昭和60年時点の計画で2110億円であり、既に関連事業という形で1350億円以上が投じられている。
　しかし、ダム本体が完成するまで少なく見積もっても5000億円が必要とされている。
　千葉県は八ッ場ダム事業の受益者として関係団体も含めて180億円を負担することになっているが、今後事業費の大幅増加と起債の支払利息を考慮すると県の総負担額は560億円にもなると予想される。
　治水対策については、既設のダムや森林、河川の整備が進み、大洪水に対応することは既に可能とされている。
　都市用水については、給水人口の増加率の低下と１人当たり給水量の漸減傾向、工業用水の非用水型部門への産業構造の変化で千葉県の水道給水量は近年横ばいになっている。
　数年に一度の渇水時には代替手段があり、新たな水源開発は不要である。

　千葉県の財政状況は47年ぶりの赤字決算であり、財政再建団体転落への一歩手前である。ダム事業費の増大は水道料金の値上げにもつながり、県民生活に重くのしかかってくる。
　よって本市議会は千葉県に対し、次の事項を強く要望するものである。

今後、八ッ場ダム建設事業費の見直しに当たっては水需要量の精査をし、水利権量の縮小を国に求めること。

千葉県環境保全条例により、地域を指定し地下水採取の規制をしているが、適正な地下水利用に見直すこと。

　以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

　平成15年６月30日

習志野市議会議長

鈴木正志

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