千葉・市原丘陵開発と環境を考える連絡会などが

千葉の環境行政の抜本的改革を求める要望書を県に提出

〜「千葉県職員の職務倫理観の問題点について」も添付〜




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 「千葉・市原丘陵開発と環境を考える連絡会」と「環境問題市原連絡会」は2001年7月12日、「千葉の環境行政を検証する!」市原集会(7月8日開催)で採択された「千葉の環境行政の抜本的改革を求める要望書」を県知事に提出しました。
 なお、県射撃場の鉛汚染の事実を県が長期にわたって隠しつづけたり、産廃業者に関する苦情を言った住民の名前を県職員が産廃業者に教えていたことなど、県職員の倫理観が問題になっていることから、要望書には「千葉県職員の職務倫理観の問題点について」を添付しました。




要 望 書



2001年7月12日
 千葉県知事 堂本暁子  様

「千葉の環境行政を検証する!」市原集会参加者一同



千葉の環境行政の抜本的改革を求める要望書

 市原市古敷谷の県射撃場周辺鉛汚染問題について、知事は撤去作業のため7月15日をもって同射撃場の使用を一時中止することを県議会で表明されました。高濃度の鉛が検出されたのが1999年11月ですが、県職員の勇気ある内部告発により県民に知らされたのが今年4月20日です。1年半近くにわたり隠蔽、放置してきた沼田前県政時代の「負の遺産」の一つにようやく他県並みの対応がなされはじめたことを私たちは評価いたします。
 さて、6月に入り、市原港の海底がダイオキシンにより全国最悪の汚染レベルにあることや、県職員がその守秘義務に違反し苦情を通報した住民の名前を産業廃棄物業者に知らせていたという驚くべき事実が判明しました。こうした汚染や腐敗の実態は氷山の一角と言われています。県の主要幹部には沼田前知事時代の側近が多数登用されているという旧態依然ともいうべき体質の中で、知事が宣言されておられる環境の視点ですべての政策を見直し、徹底した情報公開と対話による県民参加の県政を実現するためには、県執行部をはじめとする職員の体質や議会多数派との関係、情報の伝達・共有や県民との対話制度などについての抜本的な改革が不可欠です。
 私たち「千葉の環境行政を検証する!」市原集会参加者一同は、5期20年間の沼田前県政下の「負の遺産」を精算し、県民の生命や健康を第一義的に考える県政を実現するため、以下のことを知事あて要望いたします。
 ご多忙中とは存じますが、これらの内容をご検討下さり、8月2日までに文書にてご回答くださるようお願い申し上げます。


要望内容

  1. 県射撃場問題について以下のことを要望します。

       莫大な撤去費用の負担の問題(汚染者負担の原則の適用など)、撤去対象区域、回収した鉛の処理方法など、今後検討すべき多くの課題がある。こうした課題については、不透明な部分をなくし、県民との対話を基本にすすめることが求められる。そこで、今後の対策は県猟友会とだけでなく、地元住民、自治体、水道水利用者、専門家も含めた公開の場で話し合うこと。


  2. ダイオキシン対策などについて、以下のことを要望します。
    • 臨海部などに立地する工場の用地や周辺地域におけるダイオキシンや有機化合物等の調査を企業まかせにせず、県において大規模に実施し、その結果を県民に公開すること。
    • すでに汚染されていることが判明した場所については早急に汚染原因を解明するとともに、原因者の負担で除去などの対策を講じること。
    • 野焼き及び産業廃棄物や汚染残土による土壌や地下水の汚染が深刻化していることから、調査の実施とその結果の公表、汚染除去の抜本的対策を国の援助も引き出して行うこと。


  3. 県職員による情報の隠蔽、放置、守秘義務違反などを二度と繰り返さないため、以下のことを要望します。
    • 県射撃場鉛汚染問題について、当時の環境部、自然保護課関係者などの責任を明らかにし、厳正な処分を行うこと。
    • 産業廃棄物業者に住民名を通報した県職員およびその監督者について、県民との信頼関係を損ない人権を侵害した責任を明確にするとともに、厳正な処分を行うこと。
    • 職員の「倫理規定」などを整備すること。


  4. 県執行部と議会多数派との正常な関係を保つ観点から以下のことを要望します。

       沼田前県政下では県議会多数派の質問原稿のほとんどを県職員が作成していたといわれる。すなわち、県の執行部が質問原稿と回答原稿の両方をつくっていたことになる。同じことが6月県議会でも行われたという告発がインターネット掲示板でされている。このことは議会多数派と県執行部の癒着と腐敗の関係を示すだけでなく、職員倫理、議員倫理に反するものでもある。
       そこで、こうした事実関係について庁内から広く情報の提供を求めるなど厳正な調査を行い、必要な措置をとること。

以上


添付資料





千葉県職員の職務倫理観の問題点について

  1.  産業廃棄物業者に関して苦情を言った県民名を当の産廃業者に教えたり、それが問題になった後も、県民に通報していいか問うことにより、県民に圧力をかけた。これは、守秘義務違反、人権侵害行為である。
     なお、事業者の営業行為について県民から苦情があった場合、県民の氏名を事業者に教えるということは、過去にも多数の事例があった。

  2.  県射撃場の鉛汚染問題で、県職員が内部告発するまで、県民の命にかかわる重大な情報を隠しつづけたこと。とりわけ、環境基準の約70倍もの汚染データを市原市、県内部の検討会、マスコミにも隠蔽し続け、その後明確な根拠もなく「参考値」として公表したことは、県民の不信感を一層増大させた。(『週刊金曜日』第363号、2001年5月18日)

  3.  県議会多数派議員の質問原稿を今も県職員が作っていること。

  4.  県行政にかかわるさまざまな業者、たとえば土建業者などに天下った県幹部OBに行政情報を提供をしていること。
     つまり、県職員と天下りとの癒着だが、それは、次のような場所で行われている。
    •  さまざまな飲み会で県幹部OBと同席。
    •  業者は、特別な用事がない限り、事務室の中に入ってはいけないきまりになっており、 名刺配りの際も、廊下に置かれた名刺入れに置くことになっている。 しかし、県幹部OBは、どこでも堂々と事務室の中に入って、仕事中の職員に声をか けたり、いろいろな情報を聞き出したりしている。
    •  こうした実態を知っていながら、県当局は黙認している。

  5.  不作為による汚染の拡大。
     市原市古敷谷の産廃不法投棄について、住民が何度も対応を求めたにもかかわらず、県職員(産廃担当、赤道などの国有地管理担当など)は、何の手もうたなかった。これが6カ月も続いたため、大型ダンプ3000台分の産廃が不法投棄されてしまった。

  6.  県議、市議等の不正行為について苦情を言った県民氏名を当の議員に密かに知らせ、県民が議員から恫喝されたこと。さらに、不正行為の内容が、県職員であれば免職になるほどの行為でさえ、現職議員には行政指導さえ徹底できていない。

  7.  県民からの要請書や意見書に対して回答しないこと。
     要請や意見内容に関する是非やその理由は、県民に少なくとも文書で回答するのが当然の対応である。

  8.  県民の生命と安全、および環境の視点でみるのではなく、事業者の立場で無批判に問題をとらえていること。

 以上から、「千葉県職員職務倫理条例」や「千葉県職員職務倫理規則」などの制定、整備が必要と考える。






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