「県の立場と考えは変わっていない」

〜鬼泪山国有林の山砂採取再燃で県課長と話し合い〜





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 2013年3月22日、「鬼泪山(きなだやま)の国有林を守る市民の会」が千葉県商工労働部保安課長と話し合いました。鬼泪山国有林から山砂を採取する動きがふたたび始まったからです。

 鬼泪山国有林は富津市にあります。2008年9月、地元の採取業者などで組織する「きなだ国有林同業会」が山砂採取事業の早期着手を求める請願を県議会に提出し、自民党などの賛成多数で採択されました。県議会の採択を受け、県土石採取対策審議会(土石審)で審議が進みました。

 地元住民でつくる「市民の会」のねばり強い運動もあり、2010年11月5日、土石審の渡辺勉会長は採取に否定的見解を示した報告書を森田健作知事に提出しました。これを受け、知事は同年11月30日、県議会で「報告書の内容を尊重する」と表明しました。

 ところが、地元の採取業者は、再び鬼泪山国有林からの土砂採取をめざしています。
 業者が地元説明会で配布した山砂採取事業計画(案)によれば、採取面積は18万平方メートル、採取量は822万立方メートル、採取土砂の用途はコンクリート用の骨材資源となっています。事業者は「鬼泪山土砂事業協同組合」です。同組合の住所と事務局長は「きなだ国有林同業会」と同じです。実体は変わりません。

 話し合いでは、こうした動きを保安課長(担当課長)が承知しているかどうかをただしました。また、土石審の渡辺勉会長が前述の報告書を知事に提出したときと県の立場や考えは同じかどうかも聞きました。

 課長は、鬼泪山国有林から山砂を採取する話が再び持ち上がっていることは「まったく知らない」と答えました。また、立場や考えは「変わっていない」と述べました。

 こうも言いました。

 「みなさんが知らないうちに林野庁や県が新たな申請書を受けとることはない」

 とりあえず一安心です。しかし、油断はできません。「市民の会」は今後の動きに目を光らせることにしています。


〔備考〕
 「鬼泪山土砂事業協同組合」が作成した山砂採取事業計画(案)をみると、採取の規模は不認可になった計画よりも小さいものです。採取面積は144万平方メートル→18万平方メートル、採取量は1億1600万立方メートル→822万立方メートルとなっています。これについては、「今回は規模を小さくして認可を受け、なし崩しに規模を拡大する意図がミエミエ」と見方がされています。











県商工労働部保安課長と話し合い




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