千葉・市原丘陵開発と環境を考える連絡会

「市津緑の街」開発計画で県に要請書



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 市原市市津地区でゼネコンのフジタが計画している大規模宅地開発の「市津緑の街」開発事業について、「千葉・市原丘陵開発と環境を考える連絡会」は、環境影響評価の不十分さに関する今後の行政対応を明らかにすることなどを求める要請書を県知事あてに提出しました。
 「市津緑の街」計画は、千葉市と市原市にまたがる丘陵地域約1万ヘクタールの巨大開発(千葉・市原丘陵新都市開発)の一部です。連絡会は、同巨大開発について、自然環境保全、財政問題、地域経済振興、まちづくりなどの観点から考えていくことを目的に、1999年9月4日に設立されました。
 以下は、要請書の内容です。












要 望 書



市津緑の街開発事業計画についての要請書



1999年9月24日

 千葉県知事 沼 田  武  様

千葉・市原丘陵開発と環境を考える連絡会
代 表  植 田 和 雄



要 請 趣 旨

 日頃より、千葉県における自然環境の保全、維持管理全般にわたり、開発業者へのご指導にご苦労されておられることに深く敬意を表します。
 しかしながら私共の暮らす千葉市及び市原市におきましては、ゴルフ場をはじめとして産廃・残土等の不法投棄や大型開発事業が目白押しとなっており、自然破壊の極みという状態であります。  この様な千葉・市原にあって、表記の開発予定地につきましても房総半島の中央部に残された「最後の希少な里山と谷津田」という評価がされている地域でございます。
 それだけに、ここに生きる貴重な動植物も多種に及び、「この地域が県の方針とはいえ無残に切り開かれて良いのだろうか?」これが自然保護団体に共通する疑問であります。
 県行政の中では、自然環境に対して適正な保全を図るため、開発計画に対しては厳正な指導、審査のうえで自然環境への配慮がなされているとお聴きしておりました。
 そのことを信じたいと願いつつ、私どもが表記の環境影響評価書を拝見したときには、正直に申し上げて意図しないものを目にしたような驚きを感じたところであります。
 それは、表記の開発計画の環境影響評価には、私共から見て別添に挙げましたような現在の経済環境や自然環境にそぐわない問題点と疑問点が生じることであります。
 お忙しい中、大変恐縮ではありますが、これらの問題点と疑問点につきましてお答え頂きますよう左記の通り要請申し上げますのでよろしくお願い申し上げます。


要 請 事 項

  1. 開発審査の過程における自然環境評価の中で「種の保存法」に関する審査や評価はどのように行われましたか、お伺いします。
    • 環境評価における審議会あるいは委員会での審議内容及び評価の基準はどの様な方法で決定されましたかお答え願います。
    • 本開発計画地の残地森林部分について、業者の自主的協力面積以外で自然環境のための保全面積はどのような指導をされましたかお答え願います。
  2. 本計画では、環境アセスメントの中で、見落とされたか無視されたかして、評価の対象から漏れたものがあるようですが、その点についてはご承知ですか。もし漏れがある場合、どのように処理なさいますか、行政処理の手順についてご説明願います。
  3. 市津緑の街開発計画について、自然環境保全のためには、残地森林の不足との指摘がありますが、この点についてどのようにお考えでしょうか、簡単にお答え願います。
  以上要請致しますので、2週間以内に文章にてご回答下さるようお願い申し上げます。




「市津緑の街」開発全般についての要望書資料




T.市原市内の自然環境の現状と市民要求の高まりについて

 千葉・市原丘陵新都市開発事業(以下本開発と呼ぶ)の全般について申し述べるべきでありますが、関係資料が入手しにくく、問題が広範に及ぶため、ここでは、市津緑の街開発事業の環境影響評価を主な対象として取り上げ、要請するものとします。
 ご承知の通り、高度経済成長のかけ声のもと、市内の海岸線が埋め尽くされ、内陸部は、市内中央部に住宅団地が、養老川や村田川沿いには、ゴルフ場が30ケ所以上も造られ、加えて産廃処分場や残土処分場の無制限ともいえる進出が未だに続いており、更に産廃の野焼きという不法行為が内陸部の山林に広がるのが市原の実態であります。
 一方、バブル崩壊後のここ数年間は、開発許可を受けた開発すべき住宅地やゴルフ場予定地あるいは工業団地が工事未了のまま放置されていたり、工事完了間近でも買い手も利用者もいないと云う、哀れとも云うべき情景を近隣住民の目前にさらしている事実は、市原に限らず全県に見受けられ、大型公共事業や大型開発への反省が求められると同時に、それらに投資された税金の無駄遣いが指摘される大きな要因ともなっています。
 この様な乱開発型の千葉県の森林状況は、森林国と云われる日本の中で、全国平均の森林面積率が70%程度であるのに比べて、40%台を切っており、全国のワースト3に入るほどの貧弱なものとなってしまい、自然環境を維持するための限界の森林面積に達していると云われております。
 その結果とも云うべき市内の自然環境の現状は、海岸には、市民が安心をして遊べる海辺がなく、大気の汚染については、浮遊灰塵が環境庁基準を守れず、ダイオキシン汚染の濃度も全国の1、2を競う程の酷いものになってしまっています。
 また、平成10年度における全国調査報告書によれば、私たち市民の飲料水源である養老川の環境ホルモン汚染濃度は、当時の全国測定地の中では、1種類について最高値を示しております。
 私たち自然環境問題に取り組む団体に所属している者も、ゴルフ場や産廃処分場、残土処分場の開発計画の度に、環境保全が人間の生活と人類の存続に不可欠の根拠をしめし、その環境破壊の実態を市民と共に警告して参りましたが、これ程の環境汚染が市内に広がっているとは、予想だにしていませんでした。
 関係行政機関は、この様なことを知りながら状況を放置してきたことを咎められて当然ですが、やっと近頃になって環境情報について少しずつ公開しはじめたこと、環境対策に動きだしそうな姿勢を見せていることに、改善方向への可能性を期待したいころではあります。
 本来の地方自治の責任は、住民の健康と安全を確保することであり、私たち環境団体の目的もその足りない部分を市民と連帯して、補うべき責任をもつという意味からは、行政との共通点があります。
 但し、私たちは、常に市民の立場と純粋な自然環境保全の方向から問題を取り上げておりますが、行政サイドの立場は、常に「中立」と云いながら開発計画を進める側に立っているようです。
 この様な社会環境を背景としているだけに、市民からの期待が環境団体にも強く寄せられるのは、当然の結果かも知れません。
 市民と私たちからの数多くの意見が出されていたにも関わらず、巨大公共事業と大型開発を未だに進められようしている市や県行政の現状には、いささか異常であるという他に言葉を知りません。
 しかし、現在の憂慮すべき環境実態にきちんと目を向けるならば、市民の健康と安全を確保すると云う意味からも、真に必要なもの以外には、絶対に大型開発をさせてはならないというのが私たちの考えであります。
 以上、述べました通り、市原市の自然は、今、改善の方向に向かわなければ取り返しのつかない所にまで破壊されてしまいます。
 願わくば、自然科学の見地から、または、環境行政法の厳格なる適用の中で、業者及び行政の勇気ある決断を求めて本論に入ります。


U.開発の目的、必要性、選定理由への反論

 私たちの環境団体は、本開発計画について、全県に広く呼かけて後記に挙げる本開発計画の諸問題を提起し、開発事業者及び県、市の行政当局に対して猛省を求めてまいります。  同時にこの開発事業計画に対する大規模な県民参加の反対運動を展開することを宣言致します。  平成11年3月に公告、縦覧された本開発計画の環境影響評価書の1〜2頁に述べられている目的、必要性、選定理由の3点につき、私たちは、つぎに挙げる理由により、その主張が明らかに誤りであることを説明し、開発の中止を求めるものであります。
  1. 目的として揚げられている「かずさアカデミアパ−ク」との相乗効果を期待する。と云われる「シンクロトロン光」の民需対応型共同施設の国内での稼働状況を見た場合、官学優先とはいえはかばかしい稼働状況には至っておらず全国的に見て設備過剰の状態であります。
     さらに、「かずさアカデミアパ−ク」計画の中にも「シンクロトロン光」の設備計画があり、相乗効果どころか設備過剰でとも倒れの危険性さえ心配されるところでもあります。
     加えて、「かずさアカデミアパ−ク」そのものも開発計画が大幅に遅れ、今だ全体の10%余程度の利用度であると聞きます。
     これらの点から本計画目的が如何に無謀であり、不必要なものであるかが明らかなところであります。

  2. つぎに事業の必要性についての主張についての反論を述べさせて頂きます。
     市原市が掲げる基本計画のリ−デイングプロジェクトとしての多重的構造に支えられた産業の高度化の促進とは、千葉県でさえ計画が難航している本市の隣に位置する「かずさアカデミアパ−ク」の計画に挑戦するが如きものであり、絶対に成功しないという現状認識の欠如が致命的な問題点であります。
     また、工場用地の不足と云う論理が展開されるのであれば、つぎの点にも触れておきます。かって海岸地帯に特別工業地区という名称の準工地域があり、当初は、製造業のみに使用されるという制限付きの用地であったが、何時の間にかアピタなどという大型小売店が営業許可され開業しています。
     工業用地の過剰供給により工業地帯に大型小売業が進出することになり、産業道路の混雑や通勤道路の混雑が日増しに増加しており、製造企業の流通経費の増大や市内中小小売業の衰退原因の増大、市民の交通混雑への負担が顕著に現れてきております。
     さらに、京葉コンビナ−トの工業地帯には、企業の海外進出等に伴う空き地現象も甚だしく、その跡地にエコセメントなどという工場計画がなされていることも周知の事実であり、当市における工場用地は確実に供給過剰の状態と云えるものであります。
     加えて、快適性に富んだアメニテイ豊かな住宅地を開発するとあるが、本市における住宅地の供給量は過剰気味であり、企業住宅を主とした有秋台、辰巳台等に於いては、住居の3分の2以上が空家状態になっており、千原台や五井西区画整理地、姉崎及び青柳地区の住宅地、牛久方面の住宅地も合わせると、工夫次第で2万戸(人口六〜七万人)以上の宅地が即ちに供給出来る状態であります。  新規開発計画予定地についても県の開発公社でさえ開発を見合わせている状況ついては、事業者や行政当局がその詳細を把握されている筈であります。
     この様な状況を正しく判断されるならば、この計画が如何に不必要なものかが明らなものとしてご納得頂けると思います。

  3. つぎに選定理由について反論しますが、この点については、事業者の主観であり多くを申し上げる必要を感じません。
     但し、「ちば新時代5ケ年計画」の問題点、千葉新産業三角構想における「幕張新都心」「成田国際空港」「かずさアカデミアパ−ク」のどれをとっても予定計画を大幅に狂わせて、県民に莫大な負担を押しつけている代物であります。
     本計画がそれらの計画地の中心に位置していたとしても、それが計画の優位性の根拠として主張出来るものではありません。
     また、千葉県と市原市が計画している「千葉・市原丘陵都市整備」構想のエリアに含まれているとのことであるが、この地域こそ「千葉県中央部に残された貴重な自然環境が維持されている重要な地域」でもあるわけです。
     そこには、動物から植物にいたる様々な種が生存し、多様な生態系を形成しており、中には、種の保存法から見ても絶対におろそかに出来ないものも多種に及び生存が確認されております。
     本計画では、環境影響評価準備書の段階で報告のなかった稀少種が環境保護団体関係者の調査の中で発見された例もあり、その後の調査からも数種の稀少動植物の発見が報告されております。
     それらの種は、本環境影響評価書には、報告さていないものも含まれており、計画地の選定理由を事業者の主張の通り簡単に認める訳にいかない私共の正当な事由があることを強く申し上げておきます。


V.開発予定地に存在する自然環境の稀少価値

 開発計画地である千葉・市原丘陵地域一帯の里山は、鳥類でいえばオオタカが舞い、ハイタカが巣立ち、オシドリの親子が散歩をするという、真に豊かな生態系を備えた地域であります。
 また、植物種でいえば、照葉樹林や落葉樹林が広く混在して自生し、木陰や湿地、小川の周辺には、イチリンソウ、ニリンソウ、タコノアシ等、多くの希少種も確認されており、消えつつある房総の自然環境を半島の中央部で守り続け、辛うじて残された自然豊かな丘陵と台地、里山として充分の風格を示しています。
 市津、金剛地、土気、誉田等の広範な地域に広がるこの辺りについて、自然保護に関わる人々から房総半島の自然環境の保全のためには、開発規制の措置が必要との声が高く、近時における動植物の現地観察記録からも貴重な種が数多く報告されています。
 それは、この地域がなだらかな丘陵と低い台地に広がり、その各々のすそ野には、細かな谷津田が幾重にも入り組んでいること、田畑に適さない傾斜地や山頂部が、里山として多様多種の広葉樹林帯を広く形成させていることが大きな理由と考えられます。
 台地や山の絞り水を集めて谷津田を流れる小川は、この地域に生き続けてきた農村の原風景であると同時に、長い間、農業には掛け替えのない用水として使われてきたものでもあります。
 この地域に無数に流れる清らかな小川は、周辺の田畑を潤すと同時に、無数の水棲生物を育んできたため、それらに依存する小動物も多種が生存し、その食物連鎖の頂点にオオタカやハイタカ等の生存の保障が確保されているわけであります。
 それだけにオオタカやハイタカの存在は、この地域の自然環境を評価する上での重要な指標であり、オオタカやハイタカの生息を保障することが、この地域の自然環境の保全の要ともいえます。
 さらに、房総丘陵と下総台地の分かれ目にあるこの地域は、その夫々で陸地形成の歴史的経過の違いから生物分布の状態が大きく異なり、一地域では、珍しい生物現象や生物種が数多く発見されているところでもあります。
 「日本の植物区系−前川文夫−1977年」によると、計画地は、房総丘陵(上総丘陵)の北端にあり、下総台地の南端に近いことから、武蔵野地域と比較的に類似した景観を呈しており、下総台地の特徴であるツクバキンモクソウ、イチリンソウ、ニリンソウ、クマガイソウ等が自生し、関東地域系種のカンアオイ、タマアジサイ、カントウタンポポ、アズマネザサ等が生育していることが確認されています。
 さらに、比較的に多雨な気候条件のこの地域は、流水の浸蝕作用などによる浸蝕谷が発達した地形となっており、植物相が相対的に豊富であり、上記の他に太平洋側の温暖地帯に主に分布していることの多いタコノアシ、クサボケ、ヤマザクラ等の他に、28種以上のこの地域の固有種がこの環境評価の中でも調査確認されおります。
 過去の調査記録からも豊富な生物相の確認がなされておりますし、近年の観察調査でも新たな種が発見されている事実があり、この地形的特異性と云う意味からもさらに詳細な調査を行い、掛け替えのないこの地域の貴重な自然を再認識し、県民の総意による保全方向を見つけて頂きたいものであります。


(1)地形の改変についての見解の相違点と要請事項

 環境評価に対しての詳細にわたる要請はとりあげられませんが、以上で自然環境の全体的な事実背景を申し上げました。
 つぎに、影響評価書の中で重大な見解の相違点が生ずるものや調査の不備等により評価書では、生息確認の報告がされていないもの、あるいは、評価をしていない種で、私どもの観察調査で確認されている稀少動植物についての意見を述べさせて頂きます。

 市津緑の街開発事業(以下市津計画と呼ぶ)は、計画地173ヘクタールに対して約89%に当たる154ヘクタールの土地を最大盛土高25.6メートル、最大切土高27.3メートル、移動土量1456万6000立方メートルという膨大な地形の改変を行う計画であり、私たちから見れば自然環境への大破壊で、それ以外の何物とも評価し難い計画であります。

  1. 業者は、環境評価の予測時点では地形改変による植生の変化・消失により、生態系が大きく変わることを全体的には予測しており、地域の生態系を支える基盤として、森林環境を「そこに生育する植物群落や植物種及び低地の湿地性植物がこの地域の動物の生息を支える中心」と位置付けて予測をしています。

  2. しかし、一方では、準備書の505ページの中で、「現況の植生面積は、減少するが計画地内の植生域の多様性は維持され、また、計画地周縁部の残置森林の保全により周辺地域の植生に及ぼす影響はほとんどないと考えられることから、自然環境の保全上支障を生じないものと評価され、評価基準は達成される。」と云う評価をしています。

  3. また、本事業に伴い開発地の約89%にも及ぶ生態系の基盤である台地や谷が消滅し、そこに生存した幾百万の動植物が絶命し消滅していく事実については、「工事に伴う生態系への影響は、評価基準を満足するものの、工事に当たっては、種々の対策を講じて希少生物等はまもるので保全される」と云う風に解釈が出来る説明をしている。
     この項での開発計画の説明の根底には、まず開発先にありき、いかなる困難に遭遇しようとも、計画を押しとおそうとする恐ろしい強引さが溢れでていて、説明内容の前後が不整合で有ろうとなかろうと突っ走る感じが鮮明に出ています。

  4. さらに、開発計画地内では、開発工事中は、各種の工事計画日程と作業方法の工夫をし、段階的な施工により、工事中に動物類が周辺地域へ逃避しやすいように配慮するので、生息環境は確保される。また、極力生態系環境の復元にも努めるので評価基準が達成されると解釈出来る自己評価をしています。

      以上の事業者の見解について私たちは、以下の反論を致します。

    • a項で業者が生態系の基盤と位置づけている森林を、これほどまでに破壊する計画を立てておいて、b項では、現況の植生面積は減少するが計画地内での植生域の多様性は維持されるとは、何の根拠を以って多様性が維持されると評価できたのかを問いたい。業者及び行政に誠意ある説明を求めます。

    • c、d項では、工事中の生物の保護の問題ですが、それは、一時破壊するが後には復元し、一時逃避するが後には帰ってくるので、地形改変後の生態系は、継続して維持されていくと解釈出来ます。
       では、地形改変によりどの様な動植物種が何種壊滅し、どの様な種が何種どこに逃避し、復元後に何種のものが何時、何処に戻ってくるのか、この点について業者及び行政の誠意ある説明を求めます。

(2)希少植物の移植計画についての見解の相違点と要請事項

 この地域特有ともいえる、注目種の中でもタコノアシ、ニリンソウイチリンソウ等について、どの様な移転定着計画をもっておられるのか、果たしてその移転計画は、学術的如何なる根拠を元に何方がそれらの移植生存を保証すると判定を下したのか、これ等の疑問に対して業者及び行政の誠意ある説明を求めます。


(3)鳥類調査、保護についての見解の相違点と要請事項

 本計画の調査によれば、鳥類48種が確認され、その内訳は、繁殖が6種(カルガモ、キジ、モズ、ウグイス、ホオジロ、ハシボソガラス)、繁殖の可能性ありが28種(ハイタカ、サシバ、フクロウ、オオルリ、センダイムシクイ、カワセミ、キセキレイ、ヤブサメ、ヤマガラなど)となっています。

 国レベルの注目種として
 イ、希少種ハイタカ(移動可能な巣立ちヒナを確認)
 ロ、主要野生動物カワセミ(調査地で巣穴確認)、

 県レベルの注目種として
 イ、減少の一途にあるもの(ノスリ、サシバ、フクロウ、カワセミ、オオルリ、キセキレイ)
 ロ、地方的貴重種(ヤブサメ、センダイムシクイ、ヤマガラ)など、数多くの貴重な鳥類が調査確認されたと報告されています。

 しかし、環境評価書では、オオタカ、ハイタカ、オシドリなどの繁殖については一言も触れておりません。さらに、私たちの観察では、それらの繁殖の可能性もありえるとの情報を得ています。この点について開発事業者と行政の誠意ある説明を求めたいと思います。


(4)開発予定地の周辺環境に対する谷津部分の重要性について

 県立博物館生態・環境研究部長の中村俊彦さんは、平成11年7月10日号の「みどり千葉」の中で「中村さんをはじめ、県立中央博物館では、世界でもたぐいまれな豊かな自然を有するこの谷津(伝統的農村自然)に注目し研究を進めています。」といい、谷津田こそメダカやドジョウ、タニシを育みトキやその他の大型の鳥類の生存を保証してきた場所であると云っています。
 実に尤もな科学的理論であり、私たちも充分に理解できますが、本計画において、地形改変により膨大な谷津田を埋め消滅させることについて、そこに生存の場を求めていたオオタカやハイタカ、サシバ、フクロウ、オシドリ、カワセミその他多くの鳥類たちの生存の場は、替わりのどの場所を用意されているのか、この点について業者と行政の誠意ある説明を求めたいと思います。


(5)昆虫や両生類の移植保護のついて

 本計画地内には、ホソミイトトンボの羽化が目視され、千葉には珍しいカエルの種も発見されたときくが、それらを含む昆虫や両生類の幼虫や成虫の移植保護は、どの様に行う予定であるか、業者と行政に誠意ある説明を求めます。

以上  





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