「2019年と同規模の降雨でも浸水被害ゼロをめざす」
〜「守る会」が県一宮川改修事務所と懇談〜
一宮川流域の住民は「豪雨から茂原・長生の住民を守る会」を結成し、流域治水(総合治水)への転換を千葉県に求めてきた。運動の基本は「行政を動かす」である。運動の結果、県は流域治水の推進に舵を切った。「守る会」は2021年5月11日、県の一宮川改修事務所と3回目の懇談をおこなった。
職員が倍増
人口9万人の茂原市は2019年10月25日の豪雨で約3700戸が浸水し、3人が犠牲になった(関連死1人を含む)。今回の懇談は、激特事業(河川激甚災害対策特別緊急事業)や流域治水の進捗状況を聞くことが主な目的である。一宮川改修事務所は昨年4月に新設された。今年度の職員数は36人である。昨年度の18人から倍増した。すごいことだ。
事務所はこう話した。
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「2019(令和元)年10月と同規模の降雨でも浸水被害をゼロとすることをめざしている。その方策として、河川整備と内水対策(下水道、貯留)、土地利用施策(建築規制など)が連携した一宮川流域浸水対策緊急事業を実施している」
「近年は、気候変動による水害の激甚化や頻発化が全国各地で進んでいる。2019年10月に降ったような規模の雨をすべて河川で処理するのは不可能だ。そこで流域治水を推進することにした。流域のあらゆる関係者が協働し、流域全体で水害を軽減させるということだ」
「流域治水の一環として、一宮川の上流部で第三調節池を新設する。場所は圏央道(首都圏中央連絡自動車道)の少し先(西側)である」
「昨年の懇談で『先進的な一宮川モデルをめざす』と話した。その決意はいまも変わらない」
一宮川流域の浸水対策について県一宮川改修事務所(左)と話しあう
「豪雨から茂原・長生の住民を守る会」のメンバー=2021年5月11日、千葉県長生合同庁舎
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