このままでは茂原市は消滅する
地盤沈下防止を千葉県水質保全課に要請
〜豪雨から茂原・長生の住民を守る会〜
人口9万人の茂原市は地盤沈下がすごい。この51年で1.2mも沈下した。地盤沈下が浸水被害に大きな影響を与えている。「豪雨から茂原・長生の住民を守る会」は2020年12月23日、県の水質保全課と交渉し、地盤沈下の防止を要請した。
最初に知事あての要望書を手渡し、「豪雨の際は茂原市の市街地全体が水没しかねない。地盤沈下を止めてほしい」と要請した。
水質保全課はこう答えた。
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「この地域の地盤沈下は、地下からの天然ガスかん水の採取が主な原因とみられる」
「県は、天然ガスかん水を採取している9社と協定を結んでいる。協定では、採取した天然ガスかん水から天然ガスやヨードを分離したあとのかん水を地下へ戻し入れるよう求めている」
「採取したかん水のうち、地下への戻し入れが可能な割合は約1割だ」
「現時点の天然ガス埋蔵量は800年分である」
地盤沈下を止めなければ水害は防げない
「守る会」はこう述べた。
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「茂原市はこの51年で1.2mも沈下した。このままでは茂原市は海底に沈み、消滅する」
「一宮川中流部の堤防が沈下したので、何キロにもわたって土嚢袋を2段積んでビニールシートで覆った。第二調節池では越流堤が40cmも沈下したので、今年、越流堤をかさ上げした」
「茂原市は50年間に6回も大水害が発生している。昨年10月の大水害では3700戸が浸水被害を受けた。死者も3人でた(災害関連死を含む)。茂原市は“水害のメッカ”となった。人口も減りつづけている。茂原にはもう住めない、と言う人もいる」
「茂原市の地盤沈下はタブーとなっている。企業利益につながっているからだ。沈下は一種の公害でもある。天然ガスの採取を強く規制し、沈下を止めてほしい。それは茂原市民の命を守ることになる」
「一宮川改修事務所は、上流域や支川も対象にした浸水対策をが大急ぎで進めている。しかし、地盤沈下を止めなければ水害は防げない」
以下は、「豪雨から茂原・長生の住民を守る会」が県知事に提出した質問・要望書である。
質問・要望書 |
2020年12月23日
千葉県知事 森田健作 様
豪雨から茂原・長生の住民を守る会
共同代表 小林洋二
〃 後藤英輝
〃 松本 悟
茂原市周辺地域の地盤沈下対策に関する質問と要望
日ごろ、環境保全や水害対策などでご尽力いただいていることに感謝申し上げます。
私たちは、茂原市など一宮川流域の水害防止にとりくんでいる団体です。
昨年10月、台風21号の影響による大雨で茂原市などは大規模な浸水被害に見舞われました。茂原市では、1970年7月の豪雨以来昨年10月の豪雨まで、50年間に6回も大水害が発生しています。その被害は回を重ねるごとに拡大しています。
一宮川流域では県が河川激甚災害対策特別緊急事業などを実施していますが、一宮川流域の水害には地盤沈下も大きな影響を与えています。
つきましては、茂原市周辺地域の地盤沈下対策について下記のとおり質問と要望をさせていただきます。
記
- 茂原市周辺地域の地盤沈下の状況を教えてください。
- 「令和2年度 環境生活部の施策」には、「地盤沈下を防止するため、地下水及び天然ガスかん水の採取を抑制する取組を推進します」と書いてあります。その具体的な内容を教えてください。
- このままいけば、豪雨の際は茂原市の市街地全体が水没しかねません。有効な地盤沈下対策を早急に実施してくださるようお願いします。
-
〔備考〕「令和2年度 環境生活部の施策」より
「地盤沈下については、全体的には沈静化の傾向にあるものの、九十九里地域など一部の地域においてはいまだ沈下が継続しています。(略)良好な大気・水環境を保全するため、継続した監視を行い、環境を汚染する物質の排出者に対する指導や排出量を削減するための取組を推進するとともに、地盤沈下を防止するため、地下水及び天然ガスかん水の採取を抑制する取組を推進します。」
知事あての質問・要望書を手渡す「豪雨から茂原・長生の住民を守る会」の共同代表=2020年12月23日、県庁舎
千葉県水質保全課(手前)と交渉する「豪雨から茂原・長生の住民を守る会」=同上
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