かつてないスピードで浸水対策を推進
千葉県一宮川改修事務所と2回目の懇談
〜豪雨から茂原・長生の住民を守る会〜
「豪雨から茂原・長生の住民を守る会」は2020年12月3日、茂原市など一宮川流域の浸水対策で県一宮川改修事務所と2回目の懇談をおこなった。浸水対策の進捗状況を確認し、流域治水(総合治水)や遊水地の利用などについて意見を交わした。
流域治水の推進に踏み出す
2019年10月25日に茂原市などで発生した甚大な浸水被害は、中・下流の河川改修だけでは猛烈な豪雨に対応できないことがはっきりした。そこで県は、上流域と支川の浸水対策も推進することにしている。
県自然保護連合と県野鳥の会、茂原市民は昨年12月に県河川整備課と交渉し、降った雨を流域全体で処理する総合治水(流域治水)への転換を強く求めた。それを推進する方向に進みだした。「守る会」が8月25日におこなった懇談で、県一宮川改修事務所は「流域治水の考え方をとりいれ、先進的な一宮川モデルをめざす」と表明した。
一宮川の中・下流では、河道や河川断面の拡幅、遊水地(調節池)の増設工事などを進めている。上流域と支川については「一宮川上流域・支川における浸水対策検討会」を発足させた。河川整備と内水対策、土地利用施策などを連携させた浸水対策を検討中である。検討会には河川と都市計画の専門家も加わっている。これまで5回開き、検討案をまとめた。関係首長が参加する減災対策会議で了承されれば公表することにしている。
一宮川改修事務所は、昨年10月25日と同じ規模の雨が降っても川から溢水させないための事業を大急ぎで進めている。「こんなスピードでやっている事業はほかにないのではないか」と強調した。
「守る会」は、静岡県が地域ぐるみで推進している巴川流域総合治水事業を紹介し、「先進的な一宮川モデルをぜひ実現していただきたい」と要望した。
千葉県一宮川改修事務所(右)と話しあう「豪雨から茂原・長生の
住民を守る会」のメンバー=2020年12月3日、県長生合同庁舎
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