★環境保護団体の紹介


小櫃川源流域の自然を守り育む連絡会

(七里川渓谷を守る会)



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 1998年11月8日、木更津市総合福祉会館を会場に開かれた設立総会で、「小櫃川源流域の自然を守り育む連絡会」(略称「七里川渓谷を守る会」)が生まれました。千葉県自然保護連合、小櫃川の水を守る会、追原を歩く会、千葉県エコツーリズム研究会の4つの団体が発起人となり、7月以来4回の準備会を重ねて、会の活動の目的、活動の進め方の基本方針などを中心に検討をしながら、会則原案、代表など役員候補として具体化しました。
 自然保護運動は地域住民運動でなければならないという原則のもとに、地域の人たちを中心とした団体であること(代表と事務局長は地元の「小櫃川の水を守る会」から候補を選びました)、自然を守るだけでなく地域の人たちの生活を守ること、連絡会とすることによって加盟団体・個人の自由な活動を尊重すること、特定の政治団体・宗教団体に偏ることなく、しかし会の目的に賛同し助力してくれる団体とはそれらの区別なく協力していくことなど会の性格を会則の形で明記して決めました。
 設立総会には、地元の人たちを中心に60名ほどが参集し、会則と設立宣言を採択して設立させた後、代表(佐野今朝雄氏)などの役員を選出しました。後半は、参加者からの小櫃川源流域にかける願い、思いを語ってもらい、その後で記念講演として、財団法人「日本自然保護協会」の総務部長をしている横山隆一氏のお話をうかがいました。横山氏は、自然保護運動の進め方について、長年のご経験から「無理せずなごやかに息長く」進めることの大切を力説され、私たちに大きな勇気づけをしてくださいました。
 なお、2日おいて11月10日(火)には、連絡会として「追原ダム」建設を担当している千葉県土木部海岸河川課と最初の交渉を行い、無駄なダムづくりで貴重な自然を破壊しないよう要請しました。
 

小櫃川源流域の自然を守り育む連絡会主催の七里川渓谷観察会
 






優れた自然「七里川渓谷」を次世代へ

小櫃川源流域の自然を守り育む連絡会  代表  佐野今朝雄

  



 本会は、1998年11月8日、県内の環境保護団体4団体によって設立されました。環境問題が揺るがせにできない今日、この連絡会が発足いたしましたことは誠に時宜を得たものといえます。
 昔から「自然ほど高い買い物はない」といわれています。破壊された自然を元に戻すことは無理な話ですが、たとえそれらしくもどすにしても莫大な費用を要することになります。それでもダムを取り除いて復元の努力をしている例がアメリカにあるそうです。
 私たちは今まで、自然に働きかけ、物を生産し、その増大に力を入れてきました。その意味での開発は社会の発展につながり、人々を豊かにするものと理解していました。しかし気がついたら、大切な自然の多くがなくなっているという現状を考えると、開発のすべてを善と認めることに疑問を感じます。
 最近、そうした開発が行われるなかで、「待った」をかけ、見直そうとする考え方や、その考えをもとに運動が進められるようになりました。名古屋市の藤前干潟しかり、東京湾の三番瀬しかりです。
 私たちの行動も同じものと思います。諸団体、多くの個人の方々のご賛同を得て、千葉県内で優れて素晴らしい自然が残されている「七里川渓谷」を壊さないように守っていきたいと思います。





 
★ 会 則
 
 1.名称
   この会は「小櫃川源流域の自然を守り育む連絡会」といいます。
 2.目的
   この会は、美しい小櫃川源流域の自然を保護することを目的として活動します。
 3.基本方針
   この会は、その目的を達成することと、連絡会であることに基づいて、つぎのことを
   活動の基本方針とします。
  (1)小櫃川源流域の自然を破壊するダム建設などに反対して自然を守ります。
  (2)小櫃川源流城とその周辺に生活し、これまでその自然を保全してきた地域の人達
    の心と生活を尊重します。
  (3)目的と(1)、(2)の方針に基づくかぎりにおいて、各団体・個人の自主性と独自な
    活動を尊重します。
   (4)この会は、いかなる党派・宗派に偏ることなく、またいかなる党派・宗派であろ
     うと、人々の生命と平和を尊重し、この会の目的を達成するために民主的に活動す
    る団体・個人とは、強く連携します。
 4.活動内容
   この会の目的を達成するためにつぎのことを行います。
  (1)行政機関、そのほか、他団体への働きかけ。
  (2)機関誌などの発行による県民に対する広報活動、加盟団体との情報交換。
  (3)調査会、観察会、歩く会など各種の自然とふれあい、楽しみ、知る活動。
  (4)その他、目的達成のために必要な活動。
 5.会員
   この会は、目的・基本方針など、この会の趣旨に賛同し、会費を納入する団体・個人
  を会員とします。
 6.運営・組織
  (1)総会
     年1回定例会をもち、活動・決算報告、活動方針・予算提案、役員の選出を行い、
    会則のうちの1.名称 2.目的 3.基本方針以外の部分を改定することができます。
    会員の3分の1の賛同または幹事会または会長の要請により、臨時総会を開催する
    ことができます。
  (2)幹事会
     役員をもって構成します。そしてこの会の中心となって行動します。
  (3)役員
     つぎの役員をおき、この会の中心となって行動します。
     代表1名:この会の活動を統括し、各種会議の議長を務めます
     事務局長1名:この会の事務を統括します
     幹事:各加盟団体選出1名と個人若干名を候補とし、総会で選びます
 7.会議
   この会の会議は、すべて出席者の過半数で決します。同数の場合は議長が判断します。
 8.会費
   この会の経費は、会費その他によってまかないます。
   年会費は、団体3000円、個人1500円とします。
 9.この会則は、1998年11月8日から効力を発します。
        

 
★ 設 立 宣 言
        
 千葉県内随一の豊かな自然環境や渓谷美を形成している小櫃川の源流域、七里川渓谷にダムの建設計画(仮称・追原ダム)が明らかとなりました。この付近の黄和田畑から四方木地区にかけては、東京大学演習林なども広がり、貴重な動植物の宝庫となっております。
 氷河期の名残とされるヒメコマツ、モミ、ツガ等の自然林や原生林、またフサザクラ、ケヤキ、クマシデなど、野鳥ではヤマセミ、オオルリ、ヤブサメ、センダイムシクイ、ハイタカ、オオタカ、水生動物ではウズムシ、カゲロウ、カワゲラ、トビゲラ、ヘビトンボ、ギバチ、カジカガエル、サワガニ、蝶類ではオオムラサキ、ミドリシジミなど枚挙に暇がありません。
 また、ダム建設により、小櫃川の下流域、木更津市で汲み上げられ供給される木更津、君津、袖ケ浦、富津、市原、千葉市民の水道水としての水質の低下も心配されます。さらに、建設費が260億円と試算されていることから、水道料金の値上げなどの跳ね返りも懸念されるところです。
 県はダム建設の目的を水需要の増加と治水のためと説明していますが、周辺人口はむしろ減少傾向にあり、各市は将来人口予測の下方修正をしているところです。また昭和45年(亀山ダムができる以前)以来、目立った洪水・渇水は発生しておりません。そのようなことから、これは全国的に発生している無駄な公共工事との声も多くあがっております。このようなことから、既にいくつかの市民団体が、県にダム建設反対を訴えることを始めておりますが、これをさらに県民全体に広げていこうと、4団体が呼びかけて、この設立総会となりました。
 今後は、先に述べた内容を広く県民に伝え、思いを同じくする個人・団体と交流しながら大きな輪をつくり、ダム建設計画が廃止されるまで、千葉県や関連団体に要請していくことを主眼に活動していきます。
 1998年11月8日
 

小櫃川源流域の自然を守り育む連絡会  設立総会参加者一同   

 
 

★関連ページ
   ・七里川渓谷と追原ダム計画
   ・小櫃川源流域の貴重な自然を次世代に
   ・追原を歩く会
   ・追 原
   ・七里川渓谷を水没から守りましょう
   ・七里川渓谷と追原を詠む
   ・七里川渓谷の豊かな自然に感動


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