指定廃棄物処分場候補地選定の白紙撤回を求める

〜地元千葉市で住民集会〜




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 環境省は、放射性物質を含む指定廃棄物の千葉県内処分場候補地として、東京電力千葉火力発電所(千葉市中央区)の敷地を選定しました。そこで(2015年)5月26日夜、同処分場問題を考える蘇我地区住民集会が千葉市の蘇我勤労市民プラザで開かれました。280人が参加し、同候補地選定の白紙撤回を求める方針を確認しました。
 集会は「千葉県放射性廃棄物を考える住民連絡会」(半澤勝男代表)が主催。指定廃棄物の問題や処分場候補地選定の経過などについて同会が説明したあと、NPO法人放射能測定センターの時田孝二さんが記念講演をしました。時田さんは、津波が東京湾を襲った場合の被害シミュレーションを示し、「東京湾の内湾でも、台風と満潮が重なり海水が岸壁を超えたこともある」と指摘。また、液状化被害の可能性も高いとし、候補地の危険性を訴えました。
 最後に、候補地選定の白紙撤回を求める宣言を採択しました。



集会宣言


 環境省は4月24日、突如として千葉県における8000ベクレル超の放射性物質を含んだ指定廃棄物の最終処分場候補地を、千葉市中央区の蘇我地区にある東京電力千葉火力発電所の敷地の一部に選定することを公表した。
 この指定廃棄物は、原発の運転に伴って発生する高レベルの放射性廃棄物を除いては、生活環境においていまだかってない高濃度の放射性セシウム等を含んだ極めて危険な放射性廃棄物であり、人の健康や環境に多大な負荷をもたらすものである。
 環境省は、これまで宮城県、栃木県など5県について、1県1か所の最終処分場を建設するとの方針の下で候補地の選定にあたってきたが、いずれの候補地でも自治体の首長をはじめ、地域住民等による猛烈な反対運動のため、事前調査すらも実施できない状況である。
 このように、各地で反対運動が激化する背景には、環境省による候補地選定と公表が「人の健康や環境への配慮」を欠いたまま、秘密裏で選定作業が進められてきたためであり、また、候補地を決めるにあたっての評価項目と実際の選定との乖離や、地域特性を無視した形で進められてきたことに原因している。
 今般、環境省が公表した候補地は、地盤軟弱な埋立地であり、津波や液状化等の自然災害が生じる可能性がある危険地帯である。現に2011年3月11日の東日本大震災の時には、地盤の液状化により火力発電所の一部に損傷が生じたとの事実も明らかになっている。しかも、候補地周辺には過去に火災爆発事故を起こした製油所等のコンビナート工場群があり、専門家からもその危険性について指摘がされてきた場所である。住宅地域からも決して遠く離れていない。また、候補地の沖合には自然豊かな東京内湾の豊かな漁場が広がっており、各種漁業やのり養殖など、かって江戸前の豊かさを誇っていた海でもあり、風評被害を含めて漁業関係者の被害は計り知れない。
 いったい、環境省は県内の5000カ所以上の候補地から、なぜこのような危険な場所を選定したのであろうか。
 私たちは、このような危険な場所での危険な処分場の設置を受け入れることはできない。そして、未来を担う子供たちの健康や千葉市民、千葉県民の健康と安全な場所の確保、漁業者の生活権、東京湾の貴重な自然生態系の保全等のために、断固として、今回の環境省の提示を絶対に受け入れることはできない。
 これまでの環境省の候補地選定手法に反対し、1県1カ所に設置するとの方針に断固反対する。
  • 環境省は、今回示された候補地の選定を白紙撤回すること。
  • 千葉市は環境省の候補地選定を受け入れないこと。

 以上、集会宣言とする。

 2015年5月26日

福島原発事故由来の放射能汚染ゴミ処分場問題を考える
蘇我地区住民集会 参加者一同











指定廃棄物処分場問題の住民集会に280人参加




「候補地の白紙撤回」「最終処分場はいらない」のプラカードを掲げる参加者







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