原発事故のツケを住民に回すな!

〜「市民の会」が東電・産廃業者に要請〜




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 水源地への放射性廃棄物搬入中止を求める「放射性物質から生命(いのち)を守る市民の会」(山田周治代表)は(2012年)2月16日、東京電力木更津支社と大平興産株式会社に対し要請書を提出し、交渉しました。


■放射性廃棄物受け入れなどを東電に要請

 まずは木更津市民会館で東電支社と交渉です。「市民の会」からは35人が参加しました。
     「市民の会」は東電に対し、自治体や市民がおこなっている放射能汚染物質の計測・除去費を全額支給することや、かずさクリーンシステム(ごみ焼却施設)から出る放射性物質を含んだ焼却灰・飛灰を東電が責任をもって保管処理することなどを求めました。
 これに対し、東電は言いのがれに終始です。
     「今回の事故は、国内の観測史上最大の地震と、それに伴う大津波によるもので、原子力賠償法における免責事由に該当するとの解釈もある。しかし、被害を受けた方々の要求を真摯(しんし)に受けとめ、法制度の枠組みのもとで公正かつ迅速に賠償を進めたい」

     「といっても、木更津支社の管内では、法令にもとづいてやるべきことはない」。
 こう言い、「法令」を口実にし、「市民の会」の要請をことごとくかわしました。住民がどんなに不安をもっていても、また、放射能で汚染された焼却灰・飛灰の処理で自治体がどんなに困っていても、原因者の東電はしらんふりです。
 木更津支社の従業員は400人とのことです。「市民の会」は、「東電という企業体が起こした事故の責任は支社も負うべきではないか」と追及しました。具体的に、放射能測定器を支社で購入して測定したり、市民に貸し出すことことなどを求めました。
 また、水源地への放射性廃棄物搬入が木更津、君津、富津、市原各市の35万人を不安に陥れていることから、原因者の東電が責任をもって放射性廃棄物を自社所有地に受け入れることも求めました。
 話し合い(交渉)は、今後も継続することを確認しました。


■今後200年の間にセシウムが漏れた場合の責任は負えるのか

 東電のあとは、富津市高溝にある産廃処分場(大塚山処分場)に向かい、処分場を運営する大平興産(株)と交渉です。同社の代表取締役会長(山上毅氏)と技術部長が対応しました。
 大平興産に対しては4項目の要請と9項目の質問を提出しました。
 この日のやりとりで注目されたのは、今後200年の間に放射性物質が処分場外に出た場合の法的責任や賠償の問題です。
 産廃処分場ですから、埋め立て終了後30年間は管理が義務づけられています。ところが、放射性セシウムは、8000ベクレル/kgが100ベクレル/kg以下になるには200年かかります。8000ベクレル/kgは埋め立て可能な放射線量、100ベクレル/kgは国が従来安全としてきた放射線量です。
 会社は、「同社が放射性廃棄物を受け入れないと困るところがでてくる」として、搬入を受けいれています。しかし、100年後とか200年後まで会社が存続できるかどうかはわからない、と答えました。「もしも会社が廃業になった場合、この処分場はどうなるのか」とただしたところ、「う〜ん」と返事に窮しました。
 「市民の会」はこう要請しました。
     「放射性廃棄物を受け入れるかどうかは経済行為(つまり商売)であり、行政は関与しないというのが県の姿勢だ。ということは、会社が受け入れを拒否しても法的にはなんら問題ないということだ。もしもセシウムが地下水に浸透したり、農業用水に利用されている湊川の源流に漏れ出したときは、商売で受け入れた会社が責任の負い、賠償しなければならない。それに、100年とか200年後までは責任を負えないのではないか。したがって、放射性廃棄物の搬入は拒否すべきだ」
 これらの問題をめぐってやりとりがつづきました。
 要望・質問書に対しては、回答期限の3月1日を目途に文書で回答するそうです。そのときに再度、話し合いをもつことになりました。


君津地域の放射性廃棄物埋め立て地





東京電力木更津支社に申し入れ



大塚山処分場(富津市)を運営する大平興産(株)に申し入れ



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