破綻必至の「かずさアカデミアパーク」
〜君津市職員が巨大開発継続の堂本知事を批判〜
開発問題研究会
堂本知事が巨大開発を継続推進
「かずさアカデミアパーク」は、木更津市と君津市にまたがる丘陵地帯で進められている巨大開発です。沼田前県政が県政の重点施策の一つとして、「世界レベルの先端技術研究開発拠点」をめざして進めてきました。関連施設の整備を含めると、これまで1000億円以上の県費が投入されました。しかし、企業の研究施設などは集積がほとんどがすすみません。立地企業はわずか3社で、現地は空き地だらけとなっています。
そんな巨大開発を、堂本知事も「今後の県政運営に係る重点施策(ちば2002年アクションプラン」の一つに位置づけています。
「かずさ」をリゾート地に?
ところで、堂本知事は、知事のブレーン機関として設置した「21世紀の千葉懇話会」(座長は加藤寛・千葉商科大学学長)の第1回会合(東京の虎ノ門パストラルで開催)で、この「かずさアカデミアパーク」について次のように述べました。
「『かずさ』の21世紀に向けてのDNAの研究がございますけれども、ここを起点にして産学協同だけでなくて、できれば世界に通用するような先端的な研究と、そして大学とがいろいろに一緒に取り組むようになればいいなと思っておりまして、これは単に千葉だけではなくて、東京湾をはさんで、国際的にまとまるような、そういった状況ができたらおもしろいと思っています」
「緑豊かで、いつも周りに海のある千葉県でございますので、だんだん高齢化社会になると、東京から1時間で着く『かずさ』のあたりに、高齢者にとって住みやすいようなリゾートともうしますか、健康づくりをできたらいいなと思っております」
つまり、「かずさアカデミアパーク」に引き続き莫大な県費を投入する姿勢であり、ここをリゾート地にしたいとも言っているのです。
君津市の職員が痛烈に批判
先日、このことを君津市の職員に話したら、怒ってこう述べました。
「『かずさ』をリゾート地にするなんて、とんでもない話だ。君津市では、県の房総リゾート構想にもとづいてあちこちでリゾート開発が進められたが、どこも頓挫したり破綻している。ゴルフ場計画も十数カ所もちあがったが、そのほとんどが頓挫していて、計画業者が倒産したり、買収したまま山が放置されて荒廃しているなど、たいへんな状態になっている。そうした計画の関連整備や後始末などに市は莫大な出費をしていて、市財政を圧迫している。君津市だけでなく、リゾート開発はどこも失敗し、住民はたいへんなツケを強いられている。それなのに、いまだにリゾートなどと言っているとは、あきれるほかない」
「『かずさアカデミアパーク』についていえば、現地をみれば一目瞭然のように完全に破綻している。そんな無謀な開発に、君津市もこれまで10億円ぐらいの出費を強いられてきた。たとえば展望台のある公園などは市が整備させられた。だから、君津市の職員は、ほとんどがこの開発に批判的である」
「『かずさ』の開発は、企業進出が進まないために第1期地区だけでストップしている。これはよいことだ。というのは、2期地区の基盤整備は市がおこなうことになっているからだ。計画では従業者を1万人と見込んでいるために、上下水道管もかなり太いものが敷設されている。しかし、実際の従業者はわずかなために、大半の上下水道管が使われずにさびついている。今後、こうした施設の維持管理や補修にかなりの金をつぎこまざるをえない」
「ということで、『かずさ』は計画を抜本的に見直し、大幅に縮小したり、場合によっては計画中止も断行すべきである。それを堂本知事に期待していたが、実際にやっていることは沼田知事と同じである。まったくの期待はずれで、がっかりだ」
(2002年5月)
★関連ページ
- 幕張新都心は“魅力のない街”(開発問題研究会、2005/1)
- 県民が潤わない千葉の開発(開発問題研究会、2004/7)
- 大量の空き地をかえる幕張新都心(開発問題研究会、2003/2)
- 千葉ニュータウン開発の実態(開発問題研究会、1999/5)
- 大規模開発の実態をみる〜幕張新都心を中心に(開発問題研究会、1998/10)
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