盤洲干潟の豊かな生態系を学び、
貴重さを実感
〜9月24日 小櫃川河口・盤洲干潟観察会〜
2001年9月24日、「小櫃川河口・盤洲干潟を守る連絡会」(略称・盤洲干潟を守る連絡会)主催の「盤洲干潟観察会」と、千葉県野鳥の会主催の「小櫃川河口自然観察会」が開かれました。案内者(講師)は、「金田の海を守る会」の桐谷新三さん、県野鳥の会の田久保晴孝さん、杉本秀樹さんです。参加者は41人でした。
“盤洲干潟の防人”とよばれている桐谷さんは、盤洲干潟に生息しているさまざまな動植物の生態についてくわしく話してくれました。たとえば、「草の中に棲んでいるアカテガニは、冬の間は流木などに隠れてすごす。だから、クリーニング作戦はたいへんよいことだが、なんでもかんでも片づけるのはよくない。流木などは片づけないで置いといたほうがよい」などです。また、干潟のいろいろな所をスコップで掘り、ゴカイや貝など、干潟で生息しているさまざまな底生生物をみせてくれました。「ゴカイは鳥や魚の大切なエサになっている。このゴカイがたくさん生息していないと、鳥はやって来ない。『幕張の浜』などの人工海浜はこのゴカイがたいへん少ないので、鳥があまり来ない」などと語りました。
そして、盤洲干潟の構造を断面図にして説明してくれました。大潮のときに干出する瀬を、沖のほうから「一番瀬」「二番瀬」「三番瀬」と呼んでいて、秋の大潮時には「一番瀬」が広大に干出し、夜にはそこでイイダコをたくさん拾うことができるそうです。また、「一番瀬」の先には一年中干出しない棚(たな)が存在し、そこには、冬になると魚がたくさん集まってくるそうです。
桐谷さんは、このほかにも、東京湾の潮の流れや、海苔(のり)のつくり方の変遷、ウナギの捕り方などをくわしく教えてくれました。盤洲干潟についてたくさんのことを知ることができ、参加者は大感激でした。
一方、鳥の観察では、谷津干潟で激減しているシロチドリを220羽も確認することができました。冬鳥のハマシギも多く見られるようになり、この日は約50羽確認しました。白くかがやくミユビシギやシロチドリの群れが美しく、また、干潟でエサを捕るミユビシビがとても印象的でした。
同干潟でこの日確認された鳥たちはつぎのとおりです。シロチドリ 220、カワウ 200、ウミネコ 200、ミユビシギ 110、スズメ 100、カルガモ 50、ハマシギ 50、ドバト 50、ムクドリ 35、トウネン 30、メダイチドリ 25、ダイサギ 20、ヒドリガモ 20、オナガガモ 20、ゴイサギ 10、アオサギ 10、トビ 10、ダイゼン 10、キジバト 10、ツバメ 10、ヒヨドリ 10、カワラヒワ 10、ハシブトガラマ 10、コサギ 5、チュウサギ 5、コガモ 5、オカヨシガモ 5、ハシビロガモ 5、ヒバリ 5、セッカ 5、ハシボソガラス 5、モズ 3、ヨシガモ 2、キアシシギ 2、イソシギ 2、ソリハシシギ 2、セグロカモメ 2、ウグイス 2、カイツブリ 1、マガモ 1、ミサゴ 1、ハジロコチドリ 1、キョウジョシギ 1、アオアシシギ 1、チュシャクシギ 1、カワセミ 1、ハクセキレイ 1
“盤洲干潟の防人”桐谷新三さん(右端)が生き物の生態などをくわしく教えてくれた。
白く輝くシロチドリなどを観察
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