小櫃川河口干潟隣接埋め立て地
ホテル・大浴場建設で要望書
木更津市海岸に広がる東京湾最大の自然干潟「小櫃川河口干潟」(盤洲干潟)に接する埋め立て地にホテル三日月(本社・勝浦市)が大浴場とホテルの建設計画を進めている問題で、千葉県自然保護連合は7月12日、多量の温排水が干潟や生物相、アサリ漁に与える影響などについて環境影響評価を行うことなどを求める要望書を、木更津市、千葉県自然保護課、ホテル三日月に提出しました。
以下は、要望書の内容です。
木更津市長あての要望書 |
1999年7月12日
木更津市長 様
千葉県自然保護連合 代表 岩田好宏
小櫃川河口干潟に隣接してホテル三日月を
建設する計画について
木更津市の発展に日頃よりご尽力いただき、ありがとうございます。
さて、私たち「千葉県自然保護連合」は、千葉県内の自然と環境についてのさまざまな問題に関心を持ち、千葉県の豊かな自然と素晴らしい住環境を次代に引き継ぐために、学習を深め、調査研究し、そして時に行政の皆さんや開発業者の方に意見を述べさせていただいている市民団体です。県内約30団体と200名の個人から成り立っております。
小櫃川河口干潟は東京湾に唯一残された広大な砂質干潟で、この地の生態系と景観は、千葉県の中でも最も重要な自然の要素です。また、南から北へ、北から南へ、渡り鳥の中継地としても重要な意味をもち、国際的に高い関心がもたれています。
皆さんもご存知のように、この干潟は小櫃川上流域から絶えず供給されている砂と、それを運び去る東京湾の潮の流れのバランスの中で保たれている微妙なものです。また、そこに生息する多様な生物種とその現存量は、小櫃川から流入する河川水および東京湾の海水の混じった汽水に大きく依存しているものと思われます。
したがって、千葉県の豊かな財産の一つであり、世界的にも重要な意味をもっている小櫃川河口干潟を保全し、次代により良い形で引き継いでいくためには、小櫃川河口干潟のみの保全だけでは不十分で、小櫃川上流部から河口までの河川及び流域の開発や、河口周辺のかなり広い範囲における環境改変については、それが干潟と生物相にどのような影響を及ぼすのか慎重に検討する必要があります。
現在、その河口干潟のすぐそばに上記ホテルの建設計画があるように聞いております。そのホテル建設が原因となって、河口干潟の自然と景観が破壊されてしまっては、木更津市民にとってだけでなく、千葉県民にとっても、大きな損失になりますので、以下の5点について要望致します。
要望事項
- 現在の基準をクリアーしているとしても、以下の点について環境影響評価を行って下さい。
- 1日500トンという多量の温排水が干潟や生物相に与える影響
- 排水時の温度が24.25度の温排水が、アサリ漁や海苔漁に与える影響
- 地下の深いところ(350〜800m以上)から地下水をくみ上げる場合の地盤沈下
- 建物の照明や高層(二期工事で45mの建物を計画)建築物の、渡り鳥を中心とする鳥類に与える影響
- 現在の法体系は、守りたい自然を守るには、残念ながら不十分です。そういった状況の中で「保全」を考える時、一番大切なのは守るための熱意です。法的には必要のないことかもしれませんが、千葉県自然保護課としても、この地の自然については深い関心を持っているはずです。是非一度自然保護課と協議して下さい。
以上
千葉県自然保護課長あての要望書 |
1999年7月12日
千葉県自然保護課長 様
千葉県自然保護連合 代表 岩田好宏
小櫃川河口干潟に隣接してホテル三日月を
建設する計画について
千葉県の自然環境の保全につきまして日頃よりご尽力いただき、ありがとうございます。
さて、小櫃川河口干潟は、東京湾に唯一残された広大な砂質干潟で、この地の生態系と景観は、千葉県の中でも最も重要な自然の要素であると同時に、南から北へ、北から南へ、渡り鳥の中継地としても重要な意味をもち、国際的に高い関心がもたれている場所でもあります。皆さんもご存知のように、この干潟は小櫃川上流域から絶えず供給されている砂と、それを運び去る東京湾の潮の流れのバランスの中で保たれている微妙なものです。また、そこに生息する多様な生物種とその現存量は、小櫃川から流入する河川水および東京湾の海水の混じった汽水に大きく依存しているものと思われます。
したがって、千葉県の豊かな財産の一つであり、世界的にも重要な意味をもっている小櫃川河口干潟を保全し、次代により良い形で引き継いでいくためには、小櫃川河口干潟のみの保全だけでは不十分で、小櫃川上流部から河口までの河川及び流域の開発や、河口周辺のかなり広い範囲における環境改変については、それが干潟と生物相にどのような影響を及ぼすのか慎重に検討する必要があります。
現在、その河口干潟のすぐそばに上記ホテルの建設計画があるように聞いております。そのホテル建設が原因となって、河口干潟の自然と景観が破壊されてしまっては、千葉県民にとって、大きな損失になりますので、以下の要望について木更津市と至急協議して下さい。よろしくお願いいたします。
要望事項
建設計画が現在のさまざまな基準をクリア-しているとしても、以下の点について環境影響評価を時間をかけて行い、その結果をもとに建設計画を再度検討し直すべきであることを木更津市に指導して下さい。
- 1日500トンという多量の温排水が干潟や生物相に与える影響
- 排水時の温度が24.25度の温排水が、アサリ漁や海苔漁に与える影響
- 地下の深いところ(350〜800m以上)から地下水をくみ上げる場合の地盤沈下
- 建物の照明や高層(二期工事で45mの建物を計画)建築物の、渡り鳥を中心とする鳥類に与える影響
以上
ホテル三日月あての要望書 |
1999年7月12日
ホテル三日月 様
千葉県自然保護連合 代表 岩田好宏
小櫃川河口干潟に隣接してホテル三日月を
建設する計画について
貴社の県内でのご活躍は、県民の皆さんに千葉県の豊かな自然を堪能してもらう旅を素晴らしいものにしているだけでなく、千葉県と房総地域の発展に大きく貢献するものであると、県民の一人として感謝いたします。
さて、私たち「千葉県自然保護連合」は、千葉県内の自然と環境についてのさまざまな問題に関心を持ち、千葉県の豊かな自然と素晴らしい住環境を次代に引き継ぐために、学習を深め、調査研究し、そして時に行政の皆さんや開発業者の方に意見を述べさせていただいている市民団体です。
貴社もご存知のように、小櫃川河口干潟は東京湾に唯一残された広大な砂質干潟で、この地の生態系と景観は、千葉県の中でも最も重要な自然の要素です。また、南から北へ、北から南へ、渡り鳥の中継地としても重要な意味をもち、国際的に高い関心がもたれています。この干潟は小櫃川上流域から絶えず供給されている砂と、それを運び去る東京湾の潮の流れのバランスの中で保たれている微妙なもので、そこに生息する多様な生物種とその数は、小櫃川から流入する河川水および東京湾の海水の混じった汽水に大きく依存しているものと思われます。
したがって、千葉県の豊かな財産の一つであり、世界的にも重要な意味をもっている小櫃川河口干潟を保全し、次代により良い形で引き継いでいくためには、小櫃川河口干潟のみの保全だけでは不十分で、小櫃川上流部から河口までの河川及び流域の開発や、河口周辺のかなり広い範囲における環境改変については、それが干潟と生物相にどのような影響を及ぼすのか慎重に検討する必要があります。
現在、貴社は小櫃川河口干潟のすぐそばにホテルを建設する計画を進めておられるようですが、もし万が一そのホテル建設が原因となって、河口干潟の自然と景観が破壊されてしまっては、木更津市民にとってだけでなく、千葉県民にとっても、大きな損失になりますので、建設計画の推進につきましては慎重を期していただきたいと存じます。そこで、以下の点について要望致します。是非前向きにご検討をお願い致します。
要望事項
- 建設計画が現在のさまざまな基準をクリア-しているとしても、以下の点について貴社及び木更津市と協議されて、環境影響評価を行い、現計画が干潟や生物相に影響を与えないものであることを確認して下さい。
- 1日500トンという多量の温排水が干潟や生物相に与える影響
- 排水時の温度が24.25度の温排水が、アサリ漁や海苔漁に与える影響
- 地下の深いところ(350〜800m以上)から地下水をくみ上げる場合の地盤沈下
- 建物の照明や高層(二期工事で45mの建物を計画)建築物の、渡り鳥を中心とする鳥類に与える影響
- 1日500トンという多量の温排水が干潟や生物相に与える影響
- 建設計画の行政との手続き上は必要のないことかもしれませんが、この地の自然環境と生物については千葉県自然保護課としても、深い関心を寄せているところです。是非一度自然保護課と協議し、課の意見を聞いて下さい。
- また、もしよろしければ、お忙しいこととは存じますが、私達とも一度話し合う機会を設けていただけないでしょうか。
以上
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