「宅地化」語る業者の正体に迫る!

〜市原市瀬又 谷津田の残土埋め立て計画〜

散歩道プロジェクト 田頭ゆかり



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「市街化調整区域を宅地に」と語り続ける

 『自然通信ちば』No.152、No.153でお知らせの潟Gコファームによる市原市瀬又の残土埋め立て計画の、周辺町会役員向け説明会が行われた。土地造成施工会社は市の指導に従わず、「市街化調整区域を宅地に」と語り続けた。土砂搬入元と大規模崩落現場との関連など多くの不審点が浮上。周辺町会の温度差や一般住民への周知などが課題ではあるが、地権者の力強い反対の意志を根底に、野生生物の宝庫の保全を目指したい。


「残土埋め立て」を隠す

 潟Gコファームは9月25日に特定事業事前計画(変更計画)内容変更届を中部林業事務所へ提出した。調整池と排水路設置の指導があり、設計変更したものである。これに先立ち、周辺町会(ちはら台自治会連合会、瀬又町会、誉田グリーンヒル町会、ふるさと再生協議会)が役員向け説明会を要望、10月24日(土)ちはら台コミュニティーセンターで開催された。
 説明会中、土地造成施工会社褐ワ大工業の代表取締役は「1・2・3期と土地を広げ、6〜7年後には宅地にする」と熱く語った。宅地に関する質疑応答も行われ、あたかも宅地開発の印象だが、市の宅地課によると「業者がどんなに夢を語ろうと、将来に渡り家は建たない。指導することしかできず歯がゆい」とのこと。事業者は「残土埋め立て」としての住民周知をしていない。当説明会後3週間以内に回覧で周知すると事業者側が約束したが、未だ果たされていない。また、計画地のすべてを買収済みとの説明があり、12月に登記を調査したが、事業者側名義は一部のみであった。


土砂予定発生場所の実態

 事業者側配布資料に土砂予定発生場所として東京の電通築地ビル開発が示されているが、その事業者の住友不動産から「エコファーム・五大工業とは取引も契約もない」と回答を得た。
 もう1件、市原市大桶の潟Aレスの事業場から約3万m3の第3種建設発生土搬入とある。現地に行くと「再生土埋立て及び太陽光発電所施設の設置」(工事施工者は褐ワ大工業)、「太陽光発電設備及び農地造成工事(現場責任者は褐ワ大工業の代表取締役)」、「土砂崩落による流出土の一時堆積(2018年12月〜2020年3月)」の目的を記した標識が並んでいた。
 地元駐在の警察官に場所の確認ができたが、この数百m先に土砂崩落現場がある。産経ニュースと千葉日報によると、潟Aレスが太陽光発電所建設目的で14haの事業地に再生土を埋め立てたところ泥土が流出、県の調整池設置等の指導にも従わないまま、2018年11月に再生土が約3万m3崩落。さらに約5万m3の流出の恐れがあり、通行量の多い市道、通称うぐいすラインが16ヶ月間、不通となった。


谷津田に生きる命の重みを感じながら、一歩ずつ前進

 一般住民説明会開催が次の流れだが、各町会は消極的で「残土埋め立て」の積極的周知もなされない。「知らせたら混乱する」「ウチは関係ない」「もう反対できないのでは」などの理由である。
 こんな動きもある。ある人物が「役員向け説明会の議事録」を県の農林水産部と環境生活部に届けたとのこと。ある町会が「宅地発言の記載のない議事録」を業者側から単独入手しており、県へ届けられたのはそれと思われる。正しい流れは全説明会終了後に各町会が議事録承認→市→県だが、「改竄議事録が承認された」と諦め感が漂った。
 だが、「その議事録は認めない! 自分の名前は入れさせない!」と語気を荒げた地権者でもある役員もいる。
 市原市では生物多様性地域戦略協議会による野生動植物保護地区の基準が変更となるとのこと。保護地区の保全に対する法的規制力はないが、指定の働きかけについて県生物多様性センターに相談した。以前より好意的な応対だった。
 谷津田に生きる命の重みを感じながら、一歩ずつ前進する。




















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