■小櫃川の水を守る会第28回総会特別報告(要旨)
鋸南町汚染土壌埋め立てとの闘い
鋸南町の環境と子どもを守る会
金木健治さん
私は、鋸南町の汚染土壌埋め立て計画地の近くで牛を20頭飼っている。そのほかにも預託で10頭飼っていたが、この運動がはじまってから5頭ほど減らした。労力は私が中心でやっているため、これまでのようにはできなくなっている。生活をかけて、環境と子どもを守る運動をやっていかなければならないと思っている。
汚染土壌埋め立て計画をめぐる概要については配布資料をご覧いただきたい。
この施設は、廃棄物ではなく汚染土を採石跡地に埋め立てるというものである。この場所は、鋸南開発(株)が採石をしたが、採石を終了できない状態になっている。約47万立方メートルの深掘りの穴が開いたままになっている。
本来ならば、場内の採石もしくは廃土で埋め戻すことが「採石法」にもとづく認可条件となっていた。ところが、そこに汚染土をもってきて、約47万立方メートルを埋め戻す。さらには、その上に100万立方メートルの汚染土を積み上げようと計画している。
全部で147万立方メートルの汚染土で埋め戻すというこの事業は、千葉県でも、日本でも初めてといわれている。非常に不可思議である。
いまのところ、汚染土をどこから持ってくるかははっきりしていない。鋸南開発は「東京外郭環状道路の工事で発生する土」と説明していたが、「守る会」の関係者が国交省首都国道事務所などに確認したところ、「鋸南町にもっていく計画は全くない」とのことだった。
汚染土壌埋め立て計画に反対する運動は、当初は少ない人数でやったため、なかなか町民の間に浸透しなかった。ところがここにきて浸透が進み、運動が大きく広がるようになった。
鋸南町の全26区のうち16区が反対決議をあげた。それに加えて、鋸南土地改良区、鋸南町勝山漁協、鋸南町保田漁協、元名自然を守る会なども反対決議をあげた。
県にも再三にわたり陳情や要望をした。だが、なかなからちがあかない。
さきほど、指定廃棄物の撤去を求めても県が応じないという話がされた。私たちも同じ悩みをかかえている。
私たちは汚染土壌の埋め立てを阻止するため、これまでデモを3回やった。1回目の町内デモは400人が参加した。2回目の県庁前デモは300人、3回目の町内デモは350人だった。
汚染土壌埋め立ての許可はまだでていない。しかし、業者は埋め立て施設の工事を着々と進めている。この施設は届け出だけでつくることができる。そういう厳しい中で、私たちは訴訟も視野にいれて運動をつづけている。
(文責・『自然通信ちば』編集部)
鋸南町の環境と子どもを守る会の金木建治さん
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