★「常磐新線と沿線巨大開発を考える12・1県民集会」メッセージ


 破綻必至の巨大開発を見直しさせ、

 自然環境や歴史的遺産などを生かしたまちづくりを


千葉県自然保護連合


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 「常磐新線と沿線巨大開発を考える12・1県民集会」の開催にあたり、連帯のメッセージをおくらせていただきます。
 常磐新線(つくばエクスプレス)は、たとえば『Yomiuri Weekly(週刊読売)』の今年9月29日号が「開業しても赤字たれ流し」と書いているように、破綻が必至です。沿線開発も同様で、開発にかかわっている自治体内部ですら、成算見通しの暗いことが公然と語られているほどです。いまや、この巨大開発は、広大な区域の自然や住環境を破壊するだけでなく、関連自治体や住民に多大な財政負担をおわせることが確実となっています。

 オオタカが生息していた「市野谷の森」は、50haのうち半分の25haが常磐新線用地と新線沿線開発区域に組み込まれました。この部分は、大量の樹木がズタズタに伐採されてしまい、無惨な状態になっています。残り半分は、「オオタカの保護」をうたい文句にし、都市公園「都市林」として保全されることになっていますが、その一部は産業廃棄物の捨て場となったりしています。周りの樹木がズタズタに伐採されたため、オオタカはすでに営巣しなくなったともいわれています。この公園は「かつてオオタカが生息していた森」となることが十分に予想されます。
 つまり、巨大開発への協力とひきかえに、森を半分だけ都市公園として残したことは、私たちが指摘したように、開発の免罪符にすぎなかったのです。人間の都合だけを考えて、50haの森を半分に減らしたことは大間違いです。オオタカの保護を名目にした都市公園化は、じつは、それ以外の地域における全面的な自然破壊のスケープゴート(生けにえ)だったと言えます。こうした現実に目をつぶり、「オオタカは守られた」などと言って都市公園化の成果を誇示することは許されません。

 千葉県はいま「行財政改革」を推し進めています。「聖域なき改革」などと宣伝されていますが、内容を見ると、大規模開発は聖域化されています。沼田前県政は、幕張新都心、かずさアカデミアパーク、成田新空港都市の3つの大型開発を「千葉新産業三角構想」(三角構想)とよび、巨額の県費を投入しつづけました。堂本県政は、この3つの開発に常磐新線沿線開発を加え、「四角構想」としてひきつづき県政の重点課題として位置づけています。最近は、「特区」(つまり聖域)という名で、この4つの大型開発を優先的に推し進めようとしています。
 このほか、県は、東京外郭環状道路(外環道)、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)、第二東京湾岸道路、東京湾口道路なども建設促進の姿勢です。その一方で、県立高校、博物館、病院・福祉施設などの統廃合や民間委託化などは容赦なく進める方針です。「これのどこが改革なのか」と言いたくなります。

 ここ数年、環境ブームがまきおこっています。しかし、よくみると、環境破壊は相変わらずいたるところで進行しています。私たち千葉県自然保護連合や、連合に結集する諸団体は、ひきつづき、ムダな公共事業などに反対し、房総の自然や環境を守るために奮闘する決意でいます。
 常磐沿線開発関係地域においても、破綻必至の開発を見直しさせる運動を大きく発展させられるよう願っています。また、この運動をとおして、自然環境や歴史的・文化的遺産を生かし、市民が潤いを感じ、ずっと住み続けたいと願える街を築きあげられるよう期待します。「あきらめない。絶望しない」を合言葉にし、お互いにがんばりましょう。

 2002年12月1日

千葉県自然保護連合
代表 牛野くみ子




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