木更津市の経済は深刻な状態

〜『朝日新聞』の記事より〜

『自然通信ちば』編集部



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(2007年)2月11日の『朝日新聞』が木更津市の惨たんたる現状を報じています。東京湾アクラライン(横断道路)の開通によって市の経済が深刻な状態に陥っているというものです。
 こんなことを記しています。
    《木更津は江戸時代から江戸と房総を結ぶ商業地。明治〜戦前は軍隊、戦後は湾岸開発と続き、長らく内房きっての商業都市として栄えた。しかし、商圏の君津、富津、袖ケ浦の3市に商業施設ができたこともあり、バブル崩壊後はJR木更津駅西口前にあった木更津そごうが倒産、ダイエー、西友、十字屋も撤退し、商店街は閉店が相次いだ。
     輪をかけたのが東京と横浜への時間距離を一気に短縮したアクアライン。大量の消費者が流出しているとみられる。木更津商工会議所の統計によると、小売業の販売高は、91年の1713億円から、04年の1231億円まで13年間で500億円近く減少。商店数、従業員、売り場面積ともに大幅に減った。同市の市街地の現状は食品、日用品の買い物すら便利とはいえない商店過疎状態。》

    《市民の間では「ちゃんとしたものを買いたくても、売っている店がない」(企業経営者)との不満が強く、若者は「欲しい物はアクアラインをひとっ走りして東京、横浜で買う」のが現状だ。》

 ただし、記事の主旨は、同市に2つの巨大商業施設が進出するというものです。
    《木更津市に2つの巨大商業施設が進出する。市街地隣接の新日鉄用地41ヘクタールに08年3月、イオンを核とするショッピングセンターが開業する。北へ約8キロの東京湾アクアライン・木更津金田料金所東側の都市再生機構所有地60ヘクタールでは、10〜11年に複合商業施設が誕生する見込みだ。バブル崩壊で百貨店などが相次いで姿を消して中心部の商店街は壊滅状態。市や商工会議所は「夢よもう一度」と歓迎し、消費者も期待を寄せる。》
 過去の教訓から何も学ばす、「夢よもう一度」と、相変わらず巨大開発に望みをかける行政(市)や商工会議所――。首をかしげます。

(2007年2月)   





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