千葉県財政はトホホの状態

〜増え続ける借金、千葉県だけが「貯金」ゼロ〜

千葉県自然保護連合事務局



トップページにもどります
「開発と行財政」のページにもどります


 メチャクチャ財政運営によって、千葉県財政はたいへんなことになっています。


■雪だるま式に増え続ける借金総額
  〜2007年度の借金は2兆4592億円〜

 借金総額(県債残高)は雪だるま式に増え続けています。
 2007年度(平成19)の一般会計決算見込み概要をみると、こう書かれています。
    《歳入は1兆4420億円(前年度比93億円、0.6%の増)、歳出は1兆4382億円(前年度比127億円、0.9%の増)で、減収補てん債、退職手当債といった特例的な地方債の活用や企業庁からの110億円の借入れなど、可能な限りの財源対策を行い、実質収支は、何とか23億円の黒字を確保しました。》
    《19年度決算における県債残高は、2兆4592億円となりました。》

 問題は借金総額(県債残高)です。2007年度の2兆4592億円は06年度に比べ681億円の増です。これは、驚異的な金額です。
 県債残高の推移をみるとこうです。


 2000年度(H12) 1兆8728億円
 2001年度(H13) 1兆9638億円( 910億円増)
 2002年度(H14) 2兆0880億円(1242億円増)
 2003年度(H15) 2兆2117億円(1237億円増)
 2004年度(H16) 2兆3093億円( 976億円増)
 2005年度(H17) 2兆3472億円( 379億円増)
 2006年度(H18) 2兆3911億円( 439億円増)
 2007年度(H19) 2兆4592億円( 681億円増)


 2001年度に堂本県政がスタートしてからの7年間で、実に借金総額が5864億円も増えているのです。
 これは、田中康夫長野県政が、2001年度から2006年度までの6年間で借金総額を1301億円も減らしたのとまったく対照的です。


■八方美人的な財政支出
  〜大型開発推進、利権温存、各種団体へのバラマキ…〜

 堂本県政のもとで借金が雪だるまのように増え続けているのは、前述のように八方美人的な財政支出を続けているからです。
 「沼田前知事の後継者のようだ」と言われているように、自民党の要求を100パーセント受け入れています。大型開発(大型土木事業)は積極推進です。談合や利権行政も温存です。
 その一方で、さまざまな名目を掲げ、各種団体へもカネをばらまいています。県民会議やタウンミーティングなど、「会議を開くことだけが目的」のイベントもあちこちでハデに続行です。三番瀬の一部をつぶして人工干潟(人工砂浜)造成をめざす「三番瀬再生」にも莫大な県費を投入しつづけています。
 要するに、県費をあちこちに湯水のように投じているのです。これでは借金が増え続けるのは当然です。


■2009年度予算要求はシーリングなし

 来年度(2009年度)予算要求も、これまでと違ってシーリング(要求額の上限を前年度予算額の一定比率内とすること)をかけませんでした。
 来年春に知事選があり、堂本知事が3選出馬の意向をかためているからです。なんとしてでも当選したいため、来年度の予算は抑制しないという方針を掲げているのです。
 こうしたことから、事情通からは「県財政はいったいどうなるのか」「破綻が早まるのではないか」と心配する声がかなり出されています。


■47都道府県のうち千葉県だけが「貯金」ゼロ

 都道府県の貯金に当たる財政調整基金と減債基金の合計をみると、千葉県はゼロです。
 注目すべきは、47都道府県のうち千葉県だけがゼロという点です。
 今年8月26日の『千葉日報』は、「39道府県で『貯金』減額/ 07年度残高、千葉県はゼロ」の見出しをつけて、こう報じています。
    《都道府県の貯金に当たる財政調整基金と減債基金の2007年度末の残高見込み額は計1兆6321億円で、前年度より1746億円(9.7%)減ったことが25日、総務省のまとめで分かった。  厳しい自治体財政を反映し、財源不足を補うための取り崩しで39道府県が減額。一方では東京と愛知が大幅に積み増しており、自治体間の財政格差の拡大が鮮明になった。  両基金は税収減や災害時の緊急支出、将来の借金の償還に備えた蓄えで、減額した自治体では、財政運営のリスクが増大することになる。
     景気低迷などを背景にした両基金の減額は、前年度より5県多い39道府県の計3829億円。一方、積み増しは5府県少ない7都県の計2084億円で、法人税収が好調だった東京、愛知だけで増額分の大半を占めた。
     両基金の07年度末残高では、東京が5794億円と群を抜き、愛知の705億円、埼玉632億円、島根516億円、静岡447億円などが続いた。
     一方、両基金のほぼ全額の151億円を取り崩した京都や、兵庫は枯渇状態。岡山の10億円、宮城53億円など、前年度に続き残高ゼロの千葉を含め9道府県で残高が100億円を下回った。》

 5794億円の東京都は別格としても、たとえば埼玉県は632億円の「貯金」を確保しているのです。千葉県だけがゼロなのです。
 これはなにを意味しているのでしょうか。堂本知事は「貯金」を取り崩し続け、とうとうゼロにしてしまったのです。こういう事実をしっかり見すえる必要があると思います。

(2008年10月)








★関連ページ

このページの頭に戻ります
「開発と行財政」に戻ります

トップページ | 三番瀬 | ニュース | 自然・環境問題 | 房総の自然 |
環境保護団体 | 開発と行財政 | 自然保護連合 | 書籍・書評 | リンク集 |