真間山裁判が始まります

〜真間山と全国の都市環境を守るためにご支援を!〜


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■市川のシンボル真間山に6階建てのマンション建築中!

 東京から江戸川を渡って千葉県に入る時、江戸川に沿って連なる常緑の斜面林が出迎えてくれます。その中で間近に一際こんもりと茂る森が真間山です。
 ここは千葉県の風致地区で、第一種低層住居専用地域という最も厳しい二重の10メートル建物高さ規制のある所です。しかし、ここに今、高さ20メートル6階建てのマンションが青いシートで覆われてニョキニョキ顔をだしています。
 なぜこのようなことが起こったのでしょう。それは、1999年にこの地を手に入れた森ビル傘下の開発業者サンウッドが、樹木の伐採本数を減らすから高さ制限を20メートルまで緩和を、と要望し、市川市がこれを受けてこの地に無謀にも住宅地高度利用地区計画を導入したためです。


■真間山への住宅地高度利用地区計画導入は明白な法律違反です

 住宅地高度利用地区計画制度は、「良好な住環境を形成するために段階的に中高層住宅を導入する」ことを目的とし、「土地の利用状況が著しく変化しつつあり、又は著しく変化することが確実であると見込まれる区域」に導入するという必要条件が都市計画法で決められています。
 しかし、真間山は「良好な低層住居環境を目指す」緑住ゾーン(平成6年いちかわ環境プラン)の中核的存在で、中高層住宅の導入を目指す所ではなく、また「土地の利用状況の著しい変化の起こる」周辺状況は全くない所です。
 市川市はこの点について、「当地は共同住宅の計画がある」ことを唯一の理由にあげています。しかし、土地所有者が希望しただけでは正当な理由にならないことは明らかです。これが許されるとこの法的規制を空文化させてしまうことになります。
 住宅地高度利用地区計画制度は平成2年に制定後12年間に全国で15地区に導入されています。しかし、いずれも制度の目的と条件に適合し、当地のように一業者のために、そしてこのような緑地に導入した例はありません。


■異常な市川市の事業者優先姿勢

 この都市計画変更案を審議した第一回都市計画審議会(2001年2月16日)は、市案への反対が大半を占めて、「市は再度の買取りを検討するように」との答申をつけて継続審議となりました。ところが、市は買取り交渉を行わずに4回にわたって審議委員の説得を行いました(2001年6月5日庁議記録)。この間、専門家も注目する弥生時代の重要な遺跡の発掘がありながら、市文化財保護審議会も開かず、6月8日に第2回都市計画審議会を開いて市案は可決されました。
 その後、市民からは保全を求めて7300余筆の署名とともに要請書、請願書、陳情書が提出されました。また、当地の植生を熟知する千葉県生物学会副会長ら3先生からの保全協力の申し出や、遺跡の保全法の検討を求める千葉県文化財保護審議会長の意見書、そして地元住民からは工事用市道における歩行者の安全性確保をというの切実な要請も出されました。しかし、市は全てに耳を貸さず2001年11月に事業者に開発許可を与え、2002年6月の本体工事着工を容認しました。


■市民はこの都市計画決定を許さない

 真間山のような第一級の都市緑地にこの制度が適用されると、市川市はもとより全国の低層住居地や都市緑地がこの手法による開発の危機にさらされることになります。そのため2002年1月、市民有志が県開発審査会に対し、市川市が開発許可を取り消すよう求めて行政不服審査請求を起しました。
 これは不当にも同年6月、市の主張に沿って当事者適格性に欠けるとして請求が却下されました。しかし、この都市計画を認めるわけにはいきません。同年9月末に市民有志35名は都市計画決定の無効と開発許可の取り消しを求めて千葉地裁に行政訴訟を起こしました。
 「これは大きな裁判であり、慎重に審査中」(地裁担当書記官談)という理由で、裁判開始は遅延しています。しかし、同年12月に国立マンション訴訟で画期的な判決が出されました。“住民の長年の努力で作られた景観は法的保護に値し、これを侵害するマンションの上半部は撤去せよ”というものです。私たちが求めていることはこの景観権に比しても決して軽いものではありません。今年1月中旬より裁判支援の署名運動を始めました。開始以来1カ月半でほぼ5000筆が集まり、2回に分けて地裁に提出しました。署名運動は裁判中継続します。
 国立マンション訴訟の皆様は真間山問題に大きな関心を寄せています。2月11日に開いた真間山裁判学習会には石原一子代表ら3名が参加しました。午前中の現地見学に続く講演で、“真間山は保全されるべき所、市川市はひどいことをした。決して諦めずに運動を続けて欲しい”と強い支援と激励を寄せました。


■真間山と全国の都市環境を守るためにご支援を!

 この学習会を受けて裁判支援体制を確立するために、2月22日に懇談会を開き、会の結成が正式に決まりました。また、2月25日には裁判所から訴状の釈明を求める文書が弁護士に提出され、いよい よ裁判も動き出しました。
 真間山問題への支援をこれからより広く呼びかけます。真間山と全国の都市環境をこれ以上損なうことなく未来に伝えるために、署名へのご協力とともに、どうか「真間山の緑地を守る会」(仮称)に積極的に加入されて、裁判へご支援くださるようお願いします。会費は年1000円です。

(2003年2月)  



  連絡先:真間山の緑地を守る会
        秋元久枝 047-373-1971
        鈴木一義 047-373-8369








市川のシンボルともなっている真間山の斜面林








かつての旧木内家別邸。深い緑に包まれた和洋折衷の由緒ある建物でした。








旧木内別邸跡地では高層マンションの工事が進められています。上の写真にある建物は解体され、敷地内の多くの樹木は伐採されたり、移植されたりしました。









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