安定型処分場は即時廃止せよ!

〜廃棄物処理法の抜本的改正を求める全国集会〜


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 「安定型最終処分場廃止など、廃棄物処理法の抜本的改正を実現するために」と題した全国集会が3月31日、東京都千代田区永田町の星陵会館で開かれました。
 主催は、「たたかう住民とともにゴミ問題の解決をめざす弁護士連合会」(通称・ゴミ弁連)と「残土・産廃問題ネットワーク・ちば」です。


■住民の健康被害を容認する現行法

 この集会は、合法化されている安定型処分場が、汚染事故や環境破壊など、全国各地でさまざまな問題をひきおこしていることから、その廃止など、廃棄物処理法の抜本的改正をめざすために開かれました。
 産廃処分場をめぐる住民運動を支援している弁護士や専門家が、安定型処分場の問題点や全国各地の実態や住民運動、裁判闘争などについて講演しました。また、地域住民の命や暮らしを守るために奮闘している住民らが現場報告をしました。


■全国各地の処分場で、有害物質混入や環境汚染が深刻な問題に

 まず、弁護士の広田次男氏はこんな話をしました。
     「安定型処分場の大きな特徴は大量のゴミを燃やさないで捨てるというもので、反対運動の起こりにくい場所がねらわれている。そのやり方は、まさに傍若無人である。ゴミは適切な場所におけば、資源として活用できるが、そんなことはまったく考慮されない。ゴミ処理に費やされる日本の国家予算は2兆8000億円〜3兆円。これにタカる利権はすさまじいばかりだ。ヤミ世界やこれに介在する政治家に相当なカネが流れている」
     「安定型処分場は安定5品目(廃プラスチック類、金属くず、建築廃材、陶器くず、ガラスくず)に限定された廃棄物しか埋め立ててはいけないことになっている。しかし実際には、5品目とそれ以外のものを分別することは困難であり、有害物質も処分場へ搬入されている。現に、全国各地の処分場で、有害物質混入や処分場周辺の汚染が明らかにされている。そのために、裁判では、住民側勝訴の判決や仮処分決定が多くでている」
     「環境を守る最後の砦(とりで)は、自覚的な住民による運動だ。いくら行政にお願いしたところで、ラチがあかない。地域住民が高い自覚をもち、安定型処分場をつくらせないという運動が必要だ」


■環境省担当者は現場や判決を知らない

 「残土・産廃問題ネットワーク・ちば」のメンバーなどは、前日(30日)に行ったデモ行進と環境省交渉を報告しました。
 環境省までデモ行進し、次の4点を同省に要望しました。
  • 安定型処分場を即時に廃止すること。
  • 廃棄物処分場設置について、水源地などの立地規制を行うこと。
  • 事業者の経済的基礎に関する規制を強化すること。
  • 廃棄物処理場の許可に関する自治体権限の強化など、廃棄物処理法の抜本的改正を行うこと。
 環境省側は3人の担当者が対応しました。一言でいうと“ゼロ回答”だったそうです。「国は適正な基準を設けている」「国と許可権者は厳格な審査を行っている」「問題があるとすれば個々のものであって、法の問題でない」などという回答であり、住民の痛みや苦しみにどう応えていくのかという配慮は全くみられなかったとのことです。
 今回の交渉で分かったことですが、環境省の担当者たちは現場の実態をほとんど知りません。
 また、驚くべきことに、各地の裁判で住民側が勝訴しているのに、担当者たちはそういう判決をまったく読んでいないことも分かりました。そういう姿勢を批判したら、「判決内容を教えてほしい」と答えたそうです。
 交渉の中で、担当者から「法改正にはあたっては、現場をふまえて考えていきたい」という言質(げんち)を得たそうです。
 そこで、「ゴミ弁連」などは今後、判決を環境省に送りつけたり、現場で起きている悲惨な現状を環境省に知らせていくとりくみをつづけていくことにしています。


■千葉から3人が報告

 各地からの報告では、千葉県から3人の方が住民運動や裁判の報告をしました。


 (1) 富津市田倉産廃処分場建設等差し止めを認める仮処分決定
         ……天羽の水を守る会の鈴木紀靖さん

 (2) 旧海上町、銚子市、東庄町にまたがる(株)エコテック産廃処分場の
   操業差し止め裁判全面勝利
         ……産廃反対東総住民連絡会の田原康子さん

 (3)千葉市緑区産廃処分場計画の撤回
         ……千葉市緑区在住の奥山さん


 集会の最後に、環境省に要望した前述の4項目をアピールとして採択しました。

(文責・千葉県自然保護連合事務局)  





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