産廃処分場設置許可で
銚子住民代表が市議会議長に陳情
県が建設を許可した銚子市松岸の産業廃棄物最終処分場について、周辺住民の代表は、計画阻止のためにあらゆる措置・対策をとることなどを求める陳情書を銚子市議会議長に提出しました。
以下は、陳情書の内容です。
陳 情
産廃反対都市宣言厳守の立場で、北総・翔雅２計画の阻止を求める
1999年５月31日
銚子市議会議長 山 口 久 様
銚子市高神西町1849‐2 田原康子 産廃反対東総住民連絡会代表
同 豊里台1‐1044‐580 中山文夫 同 豊里台代表
同 三門町435 石毛正司 産廃反対都市宣言の厳守を求める会代表
同 柴崎町1‐56‐23 細谷公輝 地元住民有志代表
同 君ケ浜8705‐3 戸石四郎 銚子市民運動ネットワーク代表
(株)北総技研・廃棄物最終処分場計画（以下、北総計画という）は全市挙げての反対にもかかわらず、不当にも許可となりました。私たち市民はこの処分を次の理由により、絶対に認めることはできません。
安定型処分場は、無害な安定５品目の処理に限られ、安全である、というのが建て前です。そのため、遮水工や排水処理などの義務づけはありません。
しかし実際には、環境庁全国調査で「重金属・発ガン物質 ４割近くで検出」と公表されるなど、違法処理による汚染事故が続発し、新聞社説が「安定型は廃止すべき」と書くほど、深刻な問題になっています。市民団体が、ＤＳ（森戸川水源）、クリーン長塚（三宅川水源）の２処分場直下で水質調査をしたところ、前者でpH9・ＣＯＤ100、後者でpH6・ＣＯＤ10という高濃度汚染の結果がでました。
北総計画は後者の１キロメートル以内、農業用水である同じ三宅川水源地にあり、この川や地下水の汚染をさらに進行させる危険があります。さらに、クリーン長塚操業とあわせ、ゴミ飛散、交通公害などの被害が深刻化することは明らかです。
これが着工されると、市街地に近い三宅川水源地は、産廃の巣になってしまいます。操業中のクリーン長塚処分場、新たな翔雅焼却場計画（後出）、不法投棄などが目白押し。これらの集中立地による環境破壊の防止のためにも、当面北総着工阻止にあらゆる手立てを尽くすべきだと考えます。
(株)翔雅・廃棄物中間処理施設（以下翔雅計画という）は、上記２処分場から南約1.5キロメートル、三宅川水源域に計画され、昨98・11・16県事前協議受理、市との協議段階にあるということです。資料によると、一般廃棄物焼却・1日75トン。焼却灰等溶融処理・同50トン。スラグ圧縮固化等とされ、その環境影響は次のように深刻なものと予想されます。（「 」内は資料引用）
- 規模は、年間焼却量が約2.3万トン、ＤＳ焼却場の約3.5倍という大型施設である。
- ダイオキシンの排出総量が大きい。また「県内の全ての焼却灰を持ち込み」溶融処理する過程で、灰とともにダイオキシン「飛散の心配」も大きい。
- 溶融スラグ圧縮施設などの騒音、振動、ダンプ等の交通公害（騒音・挨・排気ガス・事故など）による、周辺住民の生活、農業への影響が大きい。
- 市街地に、排煙などこれらの影響が及ぶ。三崎３丁目に１キロ、上野町・松岸駅・柴崎町・三崎２丁目・小浜・親田に2.5キロ。これら地域が煙害等を被る恐れが大きい。
- 進入路の市道40523・40526号線は「未舗装、幅員狭く、路肩崩壊の恐れあり、道路法46条（通行禁止または制限）により通行を禁止または制限できる」。
- 三宅川水源への集中立地を激化させ、農業用水、利根川と海、作物・魚介類の汚染などが深刻になる。
- 計画者の会社・チバデンマイテイが、計画地（自社処分場）への不法投棄により、98・12 「家宅捜査を受けている。計画者に不安感、施設の安全性にも疑念が生ずる」（99.5.19、逮捕報道）。
これに対しては地元・農・漁業団体が立上がり、市・議会が主導し、早期に阻止する措置をとるとともに、調整段階での市の毅然たる反対姿勢が問われるところです。伸葉事前協議での、ズサンな蒸発散装置、県有地問題等をチェックしなかったような、甘い対応は許されません。
私たちは産廃反対都市宣言に込められた市民総意を踏まえ、三宅川水源地への処分場等集中立地阻止のため、次のような基本的姿勢と実効性ある対応を強く要請します。
- 北総計画に対しては、当面着工をあらゆる手段で阻止すること
- 翔雅計画阻止のあらゆる措置、対策をとること
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