自動販売機は役割を終えた

〜朝日新聞の投書に同感〜

千葉県自然保護連合事務局



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 (2008年)7月15日付け『朝日新聞』 の「声」欄に、自販機に関する投書が載りました。東京都練馬区在住の方による投書で、見出しは「自動販売機は役割を終えた」です。

    《現代人の生活が生み出した24時間営業のコンビニエンスストアについて議論されているが、私はコンビニの前に議論すべきもう一つの24時間営業があると考えている。
     それは無人で客を待つ自動販売機だ。夏は冷えた、冬は温かい飲料を24時間提供し、常に季節と逆行した温度を庫内で保ち続ける電力消費は膨大であろう。在庫補充時など扉の開閉により温度が外気と混ざり、再度冷やしたり温めたりを操り返す。家庭で冷蔵庫にビニールカーテンを下げ、庫内の温度変化を防ぐ努力がむなしくなる。
     コンビニが至る所にできて、自販機は役割を終えたのではないか。むしろ電力を無駄に消費し、景観を損ねているのではないか。また、未成年者の喫煙防止でタスポの議論をする前に、そもそも酒類同様、自販機販売を規制してはどうなのか。
     自販機を全国に設置している企業が温暖化対策を社会にアピールしているが、その裏で無差別、大量に資源と電気の浪費を重ねている偽善性を思うと、私は情けない思いでいっぱいになる。》

 まったく同感です。
 日本の自販機設置台数は、国民一人あたりの台数でみると世界一です。
 日本自動販売機工業会の資料によれば、2007年末現在の日本の自販機設置台数は541万台です。そのうち、飲料用は264万台です。

 問題なのは、飲料用自販機は2台で1世帯分の電力を消費していることです。
 香川県庁のホームページによれば、わが国の自販機の年間電力消費量は約80億kWhで、これは香川県全体の電力需要に匹敵します。また、原発1基分に相当します。


■自販機設置企業による温暖化対策アピールは偽善

 『朝日新聞』が「暮らしと地球環境」をテーマに実施した国民意識調査結果では、「なくてもがまんできる」ものとして、84%の人が「自動販売機」をあげています。
 要するに、国民は自販機について、「あれば便利だが、なくてもかまわない」ととらえているのです。
 したがって、大幅に削減すべきです。

 投書で書かれているように、自販機を大量に設置している企業が温暖化対策をアピールしているのは、偽善以外のなにものでもありません。

(2008年7月)








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