空飛ぶ仲間 コウモリの世界

〜コウモリの会・大沢啓子さんの話〜




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 「空飛ぶ仲間 コウモリの世界」と題した講演会が(2011年)1月22日、習志野市菊田公民館で開かれました。主催は千葉県野鳥の会、共催は千葉県自然保護連合です。

 県野鳥の会会員で「コウモリの会」の評議員を務める大沢啓子さんがコウモリの生態について講演してくれました。
 大沢さんはコウモリを調査するため、外国にたびたび行っています。明日からはフィリピンに行かれるそうです。そういう経験と長年の研究にもとづき、私たちが知らないことをたくさん教えてくれました。
 こんな話です。


■空を飛べる哺乳類はコウモリだけ

 「コウモリは鳥ではなく、私たちと同じ哺乳類だ。だから卵は産まない。母親のおなかから生まれてすぐにミルクを飲んで育つ。また、羽もない」
 「コウモリは哺乳類だが、空を飛ぶことができる。翼を変形させて飛ぶ。哺乳類の中で空を飛べるのはコウモリだけだ」
 「ムササビやモモンガは滑空はできる。つまり高いところから低い方へ飛ぶことはできるということだ。しかし、コウモリのように、空を自由に飛び回ることはできない」
 「コウモリは世界中にいて、その種類数は1116種だ。そのうち日本には37種いる。哺乳類は世界で5416種、日本で110種だから、日本では哺乳類の3分の1がコウモリということになる。もちろん、哺乳類の中ではコウモリの種類数がいちばん多い」
 「コウモリが多いのは、補足者(天敵)が少ないことと、ほかの生物が食べないものを食べるからだ」
 「私たちの身近にいるコウモリでいちばん多いのはアブラコウモリである。これはいたるところでみられる。建物のわずかな隙間や、道路高架下の天井部分などをねぐらにしている」
 「コウモリは休んでいるときには、足の爪を木の枝や岩のくぼみに引っかけてさかさまにぶら下がったり、壁にはり付いたりしている。コウモリがさかさまになるのは、空を飛ぶために体を軽くしたからだといわれている。翼を動かすために胸の筋肉は発達しているが、ももなどの足の筋肉はほとんどない。だから、立って体を支えるこ とはできない」


■日本に吸血コウモリはいない

 「コウモリが餌としているは、木の実や果物、蚊などの小さい虫、花の蜜などだ」
 「コウモリは、暗闇の中で、人間には聞こえない超音波の声を発してはね返ってくる音の情報から虫を探している」
 「自然界では重要な役割をはたしている。種子を散布してくれるからだ。鳥がもてないような大きな種ももつことができる。長距離を飛ぶことができるので、散布の範囲も非常に広い」
 「コウモリを吸血獣と思っている人も少なくない。しかし、1111種のうち、血を食べるのはわずか3種だけだ。それも、血を吸うのではなく、鋭い歯で皮膚を傷つけて血をなめるというものだ。また、3種とも中南米にしかいない。さらに、その中で人間などの哺乳類の血を食べるのは1種のみである。したがって、日本には血を食べるコウモリはまったくいない」


 以上です。コウモリの話を聞いたのは今回がはじめてです。すごく勉強になりました。









話に聞き入る参加者




宙(そら)くんをモデルにオオコウモリの大きさを説明する講師の大沢啓子さん




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