〜第4回盤洲干潟学校に参加して〜
小櫃川河口・盤洲干潟を守る連絡会 北澤真理子
(2003年)1月3日、「盤洲干潟学校」に参加しました。千葉県野鳥の会の皆さんと、合わせて40名ほどで雪模様の空の下を鳥たちを求めて歩きました。
潮が引いて海岸線が遠くなり、シギたちの姿はかくし絵のように干潟の砂の色に隠れて見えなくなりました。何かに驚いて飛び立った、200羽ほどの群れがわずかな日差しに羽をきらめかせて、何ともいえない幻想的な風景が広がる時もあり、寒さも忘れて見とれました。
今回は季節柄、この地の特産品の海苔についての学習がメインでした。いつものように干潟の防人、桐谷新三氏が講師です。桐谷さんは、のり漉き用の道具、海苔桝、すのこ、などと、とれたての海苔をきざんだものを用意してくれて、参加者に実際にやってみさせてくれました。厚すぎたり穴があいたり、なかなかうまくいきません。
昔は冬にしか採れなかった海苔が、胞子(顕微鏡で見ると雪の結晶の形をしているそうです)を冷凍保存するようになって、何度も採れるようになった話や、海苔問屋だった桐谷さんの家での海苔の保管の仕方なども聞きました。
お昼は豚汁やお汁粉、お餅やアサリ串をあぶって食べたり、雪の降る中を楽しく過ごしました。干潟に来る道が最近きたなくなっているので、次回からはゴミ拾いをする話や、「童謡の里」について広く人々に知らせながら建設計画を中止させようと意志統一をしました。
かたづけて帰ろうとしたとき、コンクリートの上に一羽の鳥がとまっています。瞬間、チョウゲンボウだと思いました。一度も見たことがなかったのですが、私の一番の愛読書「ウオーターシップダウンのうさぎたち」に出てくるチョウゲンボウに、一度会いたいと思っていたのです。
みんなで双眼鏡をのぞき、「前からじゃわからない」などと言っていると、くるりと後ろを向いてくれたり、横を向いてくれたり、なかなかのサービスです。小さな体にしまいきれない程の大きな翼を持った美しい若い雄のチョウゲンボウです。みんな良いお正月になったと感激しました。
あとで聞きますと、チョウゲンボウは盤洲干潟でよく見られ、シギやチドリは怖がって近づかないそうですが、とても美しい姿でした。
原風景を残したこの盤洲干潟の後浜は、人によってはただの汚い草原と思うかもしれません。整備して、こども達の情操教育をする、という考えについ賛成したくなる人もいるかもしれません。しかし、この干潟はやはりこのまま残さなければならないと思うのです。
今年は、私たちの正念場です。カワウもアシハラガニもシギもそしてやっと会えたチョウゲンボウも、みんなを守ってやらなければなりません。それが私たちをも守ることになるのだと思います。
(2003年1月)
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