圏央道(千葉・茨城区間)は不要!

〜時間短縮効果はゼロ〜

開発問題研究会



トップページにもどります
「開発と行財政」のページにもどります


堂本知事は高速道路建設促進に熱心

 堂本知事は、東京外郭環状道路(外環道)や首都圏中央連絡自動車道(圏央道)、東京湾口道路などの高速道路の建設促進にかなりの力をいれている。
 しかし、これらの道路は、自然環境や住環境を大規模に破壊するだけなく、不要でムダな道路である。
 このうち圏央道は、東京都心から半径40〜60kmの位置に計画されている延長約300kmの道路である。この事業を進めている国土交通省は、HPやパンフなどでこのように述べている。
 「首都圏の幹線道路を相互に結ぶこの圏央道が完成すれば、横浜、厚木、八王子、青梅、川越、筑波研究学園都市、成田、木更津など首都圏の周辺に広がる中核都市同士が結ばれ、東京都心部に集中しているさまざまな機能が各都市にうまく分散されるようになり、核都市の育成が促進されます。また、一帯の交通渋滞が緩和されると共に、環境改善、経済効率の向上など多くの効果が期待され、生活や産業など首都圏の豊かな発展に貢献することになります」


人口や立地企業が少ない地域を大きく遠回り

 しかし、これはまったくのウソッパチである。次のHPに圏央道のルート図が載っているのでご覧いただきたい。
http://www.ktr.mlit.go.jp/honkyoku/road/3kanjo/kenoudo/index.htm

 このルート図をみれば、「高いカネを払ってこんな道路をいったい誰が利用するのか?」と、疑問に思うだろう。人口や立地企業が非常に少ない地域を大きく遠回りして計画されている。交通量が少なすぎて大赤字のアクララインよりももっと利用が少ないことは目にみえている。
 それでも、堂本知事らは建設促進である。完全にビョーキとしかいいようがない。

 この問題をジャーナリストの清水草一氏が自著『この高速道路はいらない』(講談社)でとりあげているで、抜粋して転載する。

(2002年12月)





《清水草一著『この高速道路はいらない』(講談社)より抜粋》


 圏央道の東北道以東、常磐道、東関道、そして館山道を経て東京湾アクアラインにかけては、着工しているのは茨城県牛久市付近や、千葉東金道路として開通済みの区間など一部で、全線開業は10年以上先のことになる。
 しかしこの圏央道東半部分は、いずれもあまりにも都心から遠く、人口の希薄な地帯ばかりを通過し、迂回路としての利用価値が低い。茨城県猿島郡では、中村喜四郎元建設相の地元の三和町近くを通るように、ルートが5kmも北へ遠回りしていたりもする。前著『首都高はなぜ渋滞するのか』でも主張したことだが、これでは利用価値が激減する一方、建設距離が延びて工事費がかさみ、いいことはない。
 中でも東関道より南、成田−木更津間は、単なる「房総半島開発道路」で、現在の東関道−京葉道路−館山道に対して時間短縮効果ゼロだ(日本道路公団もホームページで認めている)。
 しかも圏央道は成田空港には直接乗り入れず、完成したばかりの暫定平行滑走路のさらに東側を通過するから、ターミナルからのアクセスは劣り、空港利用者が活用しづらい。かつて扇千景国土交通相は、TVで「圏央道ができれば、アクラインの利用も促進される」と述べたが、そういった効果はほとんど望めない。東名−東北道区間を除いて、料金設定はまったく未定とのことだが、よほど安くないと利用は期待できない。
 圏央道の東半分は、旧国鉄のローカル線のごとく、ルート自体が矛盾だらけだ。このまま建設しても、地方路線同様利用は低迷し、「いらない高速」のひとつに数えられてしまう。




★関連ページ

このページの頭に戻ります
「開発・行財政」のページに戻ります。

トップページ | 三番瀬 | 産廃・残土 | ニュース | 自然・環境問題 | 房総の自然 |
環境保護団体 | 開発と行財政 | 催し物 | 自然保護連合紹介 | 書籍・書評 | リンク集 |